欧州人権裁判所、オジャランに関し判断発表
2014年03月19日付 Radikal 紙


法律家らは、欧州人権裁判所(AİHM)の決定は、恩赦、或いは再審を意味するものではないと話した。

欧州人権裁判所はアブドゥッラー・オジャランに関して昨日決定を下した。欧州人権裁判所第2法廷は、受刑者の扱いが欧州人権条約に反しているとして、2003年アンカラ(トルコ政府)に対して起こされた裁判で、オジャランの主張を一部認めた。認められた主張に関しては政府が、認められなかった主張に関してはオジャランが異議申し立てを行うことができる。オジャランに関する決定について異議申し立てが行われれば、案件は欧州人権裁判所大法廷へと持ち込まれる。法律家らは欧州人権裁判所の決定は「オジャランに対して恩赦、または再審への道を開くものでは決してないこと」と「服役態度が優良な場合、仮釈放は最短で2024年2月15日に審議されること」を述べた。

■政府の負担が軽減される

アンカラ大学政治学部のケレム・アルトゥパルマク准教授はこの決定についてコメントし、「中途半端な決定だ。驚くことでもない。トルコに期間が与えられなかったため政府の負担が軽減された決定でもある。オジャランを釈放する意味では決してない」と述べた。アルトゥパルマク准教授は以下のように続けた:「欧州人権裁判所の決定で危機的な状況が最小限の問題を取り除くことで乗り越えられた。(同決定は)オジャランのイムラル島隔離収監を2009年以前と以後で区別した。2009年以前について欧州人権裁判所は「社会的隔離」であると定義しており、条約の3条項に反しているとした。しかし2009年以後は違反が見うけられないとしている。条約違反が見当たらないとする反面、欧州人権裁判所は『政府はこの点で対応をすることと、より適切な環境を提供する責任はなくならない』と述べている。欧州人権裁判所はイギリスへの判決で「希望を持つ権利」というものを示した。終身刑となった者でもが、いかなる形でも釈放されない制度は人権に反しており、違反であるとしている。この決定は「トルコは、国に対して行った犯罪でも仮釈放の道をあけよ、このように制度を整えよ、いかなる者にもこれを適用せよという意味をなす。政府はこの件について行動計画を用意する必要がある。トルコはこの制度を「このような時期に設ける」と言うかもしれない。」

■あるのは「希望を持つ権利」のみ

エルサン・シェン教授は、オジャランについての決定について以下のようにコメントした:「希望を持つ権利の申したてのみ全員一致で認められた。その他の、毒の投与を始めとした刑務所の環境におけるオジャランの一連の訴えは棄却された。再度オジャランは刑務所の状況における決定を待っている。恩赦への道が開 かれることを望んでいる。(オジャランは)状況の改善を欲している。欧州人権裁判所の決定はオジャランが期待していたものではなかった。オジャランの恩赦と再審につながるものではなかった。仮釈放は話題にならないだろう。欧州人権裁判所はただ政府と国に、このような犯罪者にもある種の「希望を持つ権利」があることを再確認させただけである。欧州人権裁判所は『トルコが絞首刑や死刑を廃止していれば政府に対して犯罪を行った者に、仮釈放を認め、彼らの置かれた状況を再考する必要があった。死ぬまで贅沢な食事で生活させることはあっても、刑務所に拘束はできない。罰は一つの希望である。一つの更生方法である。更生の権利を認めなさい、更生されたものは社会に放ちなさい。25年間の刑期を終えた者の状況を考慮しなさい』と述べている。オジャランの身柄が引き渡された1999年2月15日を基に、2024年2月15日で25年に刑期を満了するオジャランの仮釈放を認めるか否かをトルコ共和国政府が再度審議する。外へ出ることが適当かどうかを判断する。その期日が来たとき「適当か不適当か」を審議する。決して恩赦になるということではない。欧州人権裁判所の決定によると最低25年になる。しかしトルコはもっと長期間拘束することができる。2024年に刑事機関がオジャランに関する監査レポートを審査する。法務省も必要な調査を行う。(かつて)オジャランへ判決を下した裁判からその決定が下される。しかしその裁判所はすでに閉鎖された。その代わりにこの決定に関して任命された裁判所が最終決定を下す。オジャランは刑務所で課されたとされる多くの懲戒罰則がある。これも2025年に注目されるだろう。今日から先、事件が起きなければ、服役態度が良好ならば、(オジャランは)新たにこの権利を勝ち得るだろう。欧州人権裁判所の決定はトルコに拘束力を持つものだ。決定は欧州人権裁判所第二法廷が行った。トルコは望めばこの決定に異議申し立てをすることができる。もし申し立てをすれば案件は欧州人権裁判所の大法廷に持ち込まれる。」

■決定の内容は?

「2009年12月17日まで(欧州)人権条約の第3条(非人道的または品位を傷つける扱いの禁止)に違反しているに4票、違反していないに3票。(欧州) 人権条約の第3条(非人道的または品位を傷つける扱いの禁止)に2009年12月17日以降違反していないに6票、違反に1票。アブドゥッラー・オジャランの終身刑は人権条約の第3条に違反していることを全員一致で決定、第8条(私生活及び家庭生活の尊重)に違反していないに4票、違反に3票。人権条約の第7条(法律なくして処罰なし)に違反していないことを全員一致で決定した」

ベキル・ボズダー法務大臣は決定を欧州人権裁判所の大法廷に持ち込むことを明らかにした。ボズダー大臣は「これは再審を意味しない。トルコは以前にこの件を終結した。釈放への道をつくるために法の改正をする考えはない」と述べた。

■ギュル大統領:専門家の調査が必要だ

デンマークを訪問中のアブドゥッラー・ギュル大統領は記者たちの質問を受けてオジャランの決定について簡単に述べた。ギュル大統領は「専門家の詳細な調査が必要だ、そのあとコメントしたいと思う」と話した。

■エルゲネコン裁判に判例

BDP(平和民主党)のハスィプ・カプラン氏は「この決定では電話、手紙、家族との面会のような、他の受刑者に認められている権利を、加重終身刑を受けた者にも認めなさいと述べている。この決定はバルヨズ裁判やエルゲネコン裁判においての判例ともなる」と述べた。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:33267 )