アシュトンによる非公式面会への波紋、国民規模で続く(3)
2014年03月13日付 Jam-e Jam 紙
「核の殉教者」レザーイーネジャードの家庭を訪問し、娘のアールミーターと接するハーメネイー最高指導者(2012年1月19日)。優しい父親としての最高指導者像が演出されている(khamenei.irより)
「核の殉教者」レザーイーネジャードの家庭を訪問し、娘のアールミーターと接するハーメネイー最高指導者(2012年1月19日)。優しい父親としての最高指導者像が演出されている(khamenei.irより)

 司法権長官はさらに、「指導相に言っておかねばならないのは、あなたはイスラーム共和国で息をしているのだ、この体制の憲法上の基準はすべての人に課されているのだ、ということである」と言明、さらに「文化的な事柄に対して法的な義務を遂行することは、指導省だけの仕事ではない。司法機関も自らの法的義務を遂行することになろう」と付け加えた。

 司法権長官は「筆を折り、口をふさぐことは不可能だ、などと言う者が一部にいる」と指摘した上で、

当然のことだが、完全な自由というものは、世界のどこにも存在しない。イラン・イスラーム共和国でも、あらゆる者は憲法の枠組みの中で自由である。しかしキサース(同害報復刑)を非人間的だと見なすような者に対して、どのようにしたら表現の自由を擁護することができるというのか。

 と述べた。

 アーモリー=ラーリージャーニー師は一部の新聞に対する発行停止処分は法的規準に則ったものだとした上で、「犯罪の取り締まりは不可欠である。時に反道徳的な議論を言い広めることは、それ自体もう一つの犯罪であり、それに対しては法的対処が必要なのである」と言明した。

 同師はさらに、「罪を蔓延させる道具を押収することも必要であり、法的に認められている。検事は、たとえそれが新聞だとしても、犯罪道具を押収する義務があるのである」と付け加えた。

大学生ら、アシュトンの面会に抗議

 ところで、アシュトンがテヘランで行った波紋を呼ぶ面会に対して、司法権長官ならびに国会議長が示した反発だけが、この問題をめぐって起きた反応のすべでではない。前もって表明されていたように、昨日大学生らのグループは、EU外交政策責任者のキャサリン・アシュトンが88年の反乱〔2009年大統領選後の抗議運動〕で有罪判決を受けた一部の者と、テヘランにあるオーストリア大使館内で面会したことに対し、同大使館前で抗議集会を行った。

 イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、これらの学生らは「アシュトンさん、あなたはアールミーター〔※〕をご存知か」「犯罪者アメリカは最大の人権侵害国」「アフガニスタンを破壊したのはどこの誰だ?」「交渉(モザーケレ)か、それとも干渉(モダーヘレ)か」などと書かれた布片を手に持っていたという。

※訳注:「アールミーター」とは「核の殉教者」の一人であるダーリユーシュ・レザーイーネジャードの幼い娘の名で、「核のテロ」の悲劇を象徴する存在として、一部で祭り上げられている。

 この大学生らの集会では、国の責任者、特に核交渉団への支持が表明されつつ、彼らに対し、西洋には十分用心して対応するよう、またEU外交政策責任者の非外交的振る舞いには〔抗議で〕応えるよう求めた。

 この抗議は、キャサリン・アシュトンがテヘラン訪問の際に行った非公式の面会に対するものだった。これについて、イラン外相は本紙との独占インタビューで「こういった行動を前向きなものとも、有益なものとも思わない」と述べていた。

 ザリーフ外相はこうした行為の結果、西洋人の性向に対するイラン国民の疑念は強まったとの見方を示し、「こうした行動は、〔西洋人の〕政治的偏向とダブルスタンダードな態度によるものだと思う」と強調した。

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( 翻訳者:大麻高校出身者の会 )
( 記事ID:33272 )