ヴェラーヤティー「バンキムンは最も無力な事務総長」(上)
2014年03月13日付 Jam-e Jam 紙
同日付ジャヴァーン紙(革命防衛隊系の日刊紙)の1面の掲載されていた風刺画。バンキムン氏を「西洋の人形劇の人形」と呼んでいる。右はザリーフ外相。アシュトン氏と女性活動家らの面会を許したことを非難している
国連事務総長の人権に関する年次報告、そして我が国の国内問題に対する彼の干渉的な発言が、イラン・イスラーム共和国当局者の反発を招いている。こうした反発の一つとして、イスラーム革命最高指導者の国際問題担当顧問で、「イスラーム覚醒世界会議」の事務局長を務めるアリー・アクバル・ヴェラーヤティーは「バンキムン氏は国連事務総長の中でも、イスラーム世界が抱える問題に対して、最低のパフォーマンスしか残せていない人物の一人である」と述べた。
イラン学生通信の報道によると、昨日「世界の政治力学におけるイスラーム世界の役割」国際会議が行われている傍らで、記者団との質疑応答に応じたヴェラーヤティーは、バンキムンがミール・ホセイン・ムーサヴィーならびにメフディー・キャッルービーの釈放を求めたことに関し、質問に答える中で「私が知る限り、バンキムン氏はその他の歴代の国連事務総長と比べて、独立した人格というものを見せてこなかった人物である」と語った。
同氏はさらに、「バンキムンは完全にアメリカの意のままに動いている。アメリカは自らが国連の演壇を通じて言いたいと思っていることすべてをバンキムン氏に言い、彼はそれを〔国連の場で〕表明しているのである」と付け加えた。
ヴェラーヤティーは最近のバンキムン報告に触れ、
彼は恣意的に、政治的目的や欲望に基づいて、上っ面だけ結構なことを言っている。今の国連事務総長には独立したスタンスというものがないために、1945年から今日に至るまでの国連の歴史の中で、彼はおよそ最も無力な事務総長である。彼はイスラーム世界が直面する危機を解決するのに、有効な仕事を一つもできたためしがないのである。
と強調した。
同氏はさらに、次のように続けた。
国連の歴史を振り返ってみると、ダーグ・ハマーショルドのような人物を目にすることができる。彼はコンゴに平和をもたらすために、自らの命を懸けた人物であり、〔そのためか〕彼の乗った飛行機は撃墜されたか、あるいは墜落してしまった〔※〕。あるいはデクエヤルのような人物もいた。彼はイランとイラクの〔停戦〕協議の過程で、国連で影響力をふるう国々に対して、非常に独立したスタンスを何度も示した。ところが、こうした特質はバンキムンには見当たらない。
※訳注:ハマーショルドは第2代国連事務総長。コンゴ動乱の停戦調停に尽力したが、1961年に航空機事故で死亡。事故死とされるが、撃墜説もあった。
ヴェラーヤティーはさらに、
バンキムンは世界的な危機や世界が抱える諸問題に対して、常に沈黙してきたか、あるいはそうした問題の改善に向けて、実効的な行動を起こせずにきた。ところがアメリカが国連の演壇を利用する段となると、バンキムンはいつも〔アメリカの都合のよいように〕利用されてしまうのだ。事実、アメリカの手先・道具として以外、彼にはいかなる特徴もないのである。
と評した。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
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