レバノン国内のシリア難民の3分の2が労働に従事
2014年04月03日付 al-Hayat 紙


■レバノン国内のシリア難民の3分の2が労働に従事

【ベイルート:本紙】

国際労働機関(ILO)の「レバノンでのシリア難民の影響と雇用状況評価」という調査によると、レバノン市場で失業しているシリア難民の数は3分の1に達した。そして、レバノン国内のこれらの労働者の大部分は「低賃金と過酷な労働条件、技能と系統的知識の不足に苦しんでいる」。

ILOアラブ諸国地域事務所のマーリー・カワール雇用政策担当地域顧問は、シリア難民は「レバノン市民とともに、労働市場管理の失敗の結果に苦しんでいる」と述べた。そして、「極めて多くの低賃金シリア人労働者の人数は予期できないほどに激しく増加し、規制しえない部門を拡大させている。これにより、賃金水準の低下と労働条件の悪化に拍車がかかっている。そしてそのことが、難民を受け入れている地域コミュニティと難民の双方に悪影響を及ぼし、尊厳ある生活と十分な生計の確保を難しくしている」と述べた。

ILOの評価調査によると、レバノンのシリア人労働者は「レバノン人労働者よりかなり低い賃金を得ている」ことが判明した。また、同報告書はおよそ2000人を対象に行われた直接インタビューと準組織的アンケート調査を含んでいる。そして、「シリア難民1人当たりの平均月収はレバノンの最低賃金より40%少なく、67万5000レバノンリラ(448ドル)に達する」と伝えている。

同調査は、女性のシリア難民が特に「失業問題にさらされており、レバノンで求職中の女性の実に3分の2が、未だに職を見つけられない状況にある」と伝えた。そして、「シリア難民のうち女性労働者の割合は20%で、彼女たちの賃金は男性より40%低い」と指摘した。

シリア難民の多くが未規制部門の労働に従事しており、90%は正規雇用契約もなく働いている。難民の労働者の2人に1人が背中や関節の痛みや過労、そして重いカタル性炎症や発熱に苦しんでいる。そして、シリア難民のおよそ3分の2は職場で粉塵や煤煙にさらされている。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:33395 )