中東和平:イスラエル、パレスチナ自治政府をボイコット
2014年04月10日付 al-Hayat 紙
■パレスチナ自治政府(PA)、ネタニヤフ首相のボイコット決定を重視せず
【ラマラ:ムハンマド・ユーヌス】
イスラエルはパレスチナ自治政府に対し、自治政府の一方的な手段の採択、および14の国際機構・条約への加盟申請に対し制裁を科すとの脅迫を実行し始めた。すなわち、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パレスチナ自治政府と関係のある各省庁に対し、閣僚・局長級の接触を制限すると通達した。ただし治安調整と和平交渉に関する連絡はこの限りではなく、またその他諸問題についての双方の会合は下級現場職員に限るとした。
にもかかわらず、PAはイスラエルの高官らがパレスチナの高官をボイコットするというネタニヤフ首相の決定の重要性を重視しなかった。しかし自治政府は、このことがパレスチナに対する、経済制裁を含むより広範な攻撃の序奏なることに懸念を表明した。
またイスラエルの官房長官は、ネタニヤフ首相が通達から以下の者達を除外するつもりである、と述べた。除外されるのは、イスラエルの交渉チームのリーダーであり法務大臣でもあるリブニー氏、国防省内と軍の軍事責任者、また「被占領地問題調整官」である。
そのネタニヤフ首相の指示は、数人の大臣から発された国際的組織に所属しようとするパレスチナ人に懲罰を与えよとの脅迫から数日後に出された。大臣達は基本的に月々の税収を差し押さえることをほのめかしており、その税収とはイスラエルがパレスチナ自治政府に振り込んでいるもので、パレスチナ自治政府はそれを職員の給与に充てている。またネタニヤフ首相の指示は、米国務長官のジョン・ケリー氏の発言の後に出されたものでもある。ケリー長官の発言はイスラエルを怒らせ、(イスラエルとPAの)交渉妥結が失敗した責任をパレスチナ人だけに帰するイスラエルの主張を否定したものである。ケリー氏は先週から、イスラエル・PA間の交渉の期間を延ばすことを目的とし、取り決めの実現を目指していた。すなわち、同氏は米国議会の外交委員会で、イスラエルの建設・住宅省が被占領地である東エルサレムの南にある入植地「ギロ」に700件以上の住宅を建設することを決定したこと、およびイスラエルがパレスチナ人釈放第4弾の実施を拒否したことについて、「この2つが和平プロセスを行き詰らせた」と述べたのである。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:森松稜、大室奈津美、奈佐朋香 )
( 記事ID:33449 )