弁護士のユスフ・エリケル氏は、映画『ノア 約束の箱船』は脚本家の創作であり、またコーランで言及されている預言者ノアとは関係がないことを伝える注意書きを示すようにとの訴えを拒否され、上訴した。
ラッセル・クロウ、エマ・ワトソンらが出演した映画『ノア 約束の箱船』で、ユスフ・エリケル氏は映画が預言者ノアを侮辱しており、またシナリオや編集がコーランと全く関係がないと主張し、映画上映開始前に、以下のメッセージが流れるよう命令措置の適用を求めた。
「観客の皆さまがご覧になろうとしているこの映画は、脚本家による全くのフィクションであり、作中のノアのキャラクターと描写されている出来事は、イスラムの信仰およびコーランの中で述べられている偉大なる預言者ノアとは全く関係がありません。預言者ノアは、コーランで賞賛される偉大な預言者の一人であり、イスラムの教えによれば預言者らは罪をおかすことはありません。敬意を込めて観客のみなさまへ申し上げます。」
イスタンブル第10簡易裁判所は、命令措置は合意に至らず問題となった際に下されるべきもので、(この件については)明らかにいかなる意見の対立もないとして、この訴えを棄却した。告訴を棄却されたエリケル氏は、これについて第一審裁判所へ意義を申し立てた。
■エリケル氏の説明
ユスフ・エリケル氏はエルゲネコン訴訟の中で裁判にかけられ8年9ヶ月の刑を受けていた。氏の異議申し立てに関して行われた書面での説明では、「私たちの申し立ては、イスタンブル第10簡易裁判所によって法、普遍的な価値そしてトルコ国民の道徳感情を無視し、却下された。私たちはエルゲネコン裁判でトルコの刑事訴訟裁判システムが破綻していることを知っています。この裁判で、民事訴訟においてもシステムが崩壊した状況であることを知りました。どうかこれは間違いであってくれとおもい上訴しました。親愛なる首相も、憲法裁判所の決定を尊重しないと言っているのですから、私たちもこの決定を決して尊重しません」と述べた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:佐藤悠香 )
( 記事ID:33455 )