アメリカ議会、「アルメニア(人虐殺非難)法案」を可決
2014年04月10日付 Radikal 紙

アメリカ合衆国議会上院外交委員会で審議された国際連合安全保障理事会決議410号決議法案が、12対5で可決された。法案が議会プロセスを通過するためには、休会に入る前、明日の夕方までに本会議で取り扱われる必要がある。

ワシントンより――アメリカ合衆国議会の上院外交委員会は、予定していた通りトルコ時間の夜9時に始まった会合に提出された、アルメニア人虐殺に関連した法案を審議することから始まった。決議法案の投票前に、委員長である民主党のニュージャーシー州選出、ロバート・メネンデス上院議員は、法案の通過を簡単にするために、2つの異なる方策をとった。1つ目として、法案文にあるトルコを対象とした表現を追加提案で取り除いた。2つ目としては、アルメニア人虐殺の主張がルワンダ虐殺と同時に取り扱われるような投票日を準備した。

■コーカー議員が抗議

共和党員の会派代表である、テネシー州選出のボブ・コーカー上院議員は、投票前に行った演説で法案に反対し、法案はアルメニア‐トルコ間の歩み寄りの努力の助けとならないと主張した。コーカー議員は、さらにクリミア危機が続く一方で、トルコの内政が考慮に入れられる中、法案の時期が良くないと述べた。そして この観点からとられるこの方向での決議はアメリカの国益にかなうものではないと述べた。

■オバマ大統領からの引用を読む

メネンデス委員長はというと、コーカー議員の演説に返答を返す際、大虐殺の主張は真実であること、史料に依拠したものであることを主張し、2008年1月、オバマ大統領が上院議員であった時にこの問題について行った演説を例として示した。また、メネンデス委員長は、オバマ大統領がアルメニア人虐殺の主張を認めていることを強調した演説から一部分を読んだ後、「ジェノサイドはジェノサイドである」と述べ、法案を支持すると話した。

■投票方法を話し合うべき

その後投票へ移った。メネンデス委員長は、アルメニア人虐殺とルワンダ虐殺の同時の投票を望んだ。これに対して、共和党会派代表であるコーカー議員は再度抗議し、2つの議題が完全に別であることを明言し別々の投票を求めた。
メネンデス委員長は、これに対し410号アルメニア人虐殺決議法案のために全メンバーの名前を読み上げながら投票が行われることを求めた。そして行われた投票の結果、決議法案は17人構成の委員会を12票対5票で通過した。法案に抗議した上院議員は、コーカー議員の他もまた共和党員の上院議員であった: ジョン・バラッソ(ワイオミング州)、ジム・リッシュ(アイダホ州)、ロン・ジョンソン(ウィスコンシン州)、ジェフ・フレイク(アリゾナ州)。

■本会議へ行くのか?

アメリカ合衆国議会議事堂、S-116番の部屋で行われた投票の後、広間へ出る際ヒュッリイェト紙に話したコーカー議員は、法案がトルコとアメリカの関係にどのように影響するかとの問いに、「関係がどのように影響されるかは分かりませんが、国際的な利益に寄与するとは感じていません。トルコとアルメニアの間により良い関係を築くとも思いません。そのため支持しませんでした」と話した。コーカー議員は、法案が上院の本会議で投票されるのかどうかに関する我々の質問に対しては、「わかりません。それに関してはコメントできません」と述べた。

決議法案がアメリカ合衆国議会の立法プロセスを完了するためには、上院本会議での投票が必要である。本会議の議題を決めるのは、53人 の上院議員によって100人定員の上院の過半数を握っている民主党の大多数のリーダーである、ハリー・レイド上院議員(ネバダ州選出)及び民主党会派副代表のディック・ダービン上院議員(イリノイ州選出)である。そして、両議員の名前とも、410号法案に現在までに署名した9人の上院議員の中にあるのだ。
ヒュッリイェト紙に情報を提供した情報筋は、委員会で可決された法案文は特に2014年4月24日がアルメニア人虐殺の記念日として記憶されることを求めていることから、決議法案が無効とならないためには、この日付よりも前に本会議で可決されることが必要であると話した。しかし上院は4月11日から29日まで休会となる。このように4月24日より前に上院が決議法案を議論するためには、わずか1日しか残されていない。

■トルコの対応

トルコが可決された決議法案にどのような対応をとるかが現在議論されている。最近では、2010年3月に似たような虐殺(非難)法案が議会下院の外交委員会で可決され、トルコは対応として当時のナムク・タン大使をアンカラに呼び戻している。しかし、任期を完了し先月半ばに帰国したタン大使の代わりに任命されたセルダル・クルチ大使はまだワシントンへ来ていない。そのため、今回は呼び戻す大使がワシントンにいないのである。
クルチ大使は、通常であれば次の月曜日にワシントンに来る予定であった。トルコ外交の情報筋は、クルチ大使の到着に変更があるかどうかは、おそらく法案が本会議へ行くか行かないかによるだろうと述べた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:33459 )