北イラク・シリア間の国境塹壕建設問題で、クルド勢力間対立深刻化
2014年04月10日付 Milliyet 紙

北イラク・クルド自治政府が、シリアのクルド地域であるロジャヴァ国境への往来を封鎖するために行っている塹壕工事は、この地域の緊張関係を高めている。北イラク・クルド政府に抗議する目的で数千人が国境へ歩いていくや、ペシュメルゲ(クルド人兵士)が警告の銃を放った。

イラク・クルド自治政府が、クルド人が生活しているシリアのロジャヴァとの国境地区へ塹壕を掘っていることで、両国のクルド人勢力が対立し始めている。塹壕が掘られることで、ロジャヴァから北イラクへの通行を確保してきた可動橋は撤去された。この地域を統治するPYD(民主統一党、シリアで活動)は、国境へ塹壕が掘られることに関してクルド自治政府大統領のメスート・バルザーニを非難しながら、実行を断念することを求めた。クルド自治政府はというと、塹壕はこの地域からアルカイーダ系組織への兵士および武器の供給を阻止し、さらにシリアからこの地域へもたらされる脅威を防ぐために掘られると説明した。
塹壕がロジャヴァにおけるクルド人獲得に向けてのものだとして、昨日数千人が国境まで行進した。PYDのデリッキ組織の呼びかけに、塹壕が掘られているしシヘラ村に集まった大勢のグループが、塹壕が掘られている地点に向かって歩いた。一方この塹壕の周囲で重装備のもと警戒するペシュメルゲは、国境を越えようとしている抗議者らに、警告の銃を放った。国境地帯で長いあいだ抗議活動を続けた大勢のグループは、声明を読み、解散した。 声明では、民主的なデモのために国境地帯に集まったことを明らかにしつつ、以下のように述べられた。「我々はクルディスタンを統一すること、国境をなくすために闘っている一方、KDP(クルド民主党)はこの国境を深くしようとしている。KDPへ、我々の間における国境をなくすよう呼びかける」。4月9日に塹壕への抗議のために国境で行われたデモでは、一人のクルド人若者がペシュメルゲが放った銃で足にけがを負った。

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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:33460 )