エジプト528人死刑判決抗議の大集会―イスタンブル・アヤソフィア前
2014年04月10日付 Hurriyet 紙
アナトリア青年協会主導の下、イスタンブル・アヤソフィア広場前に集まった集団が、エジプトで反クーデター派528人に死刑判決が下されたことに抗議した。死体を包む白い布を身にまとったその集団に対し、イスタンブル繊維卸業者市場地区モスクのイマームであるネジャト・バクールは、雨降りしきる中夕刻の礼拝を取り仕切った。バクル氏は、礼拝後、聖典コーランを読誦した。
手にエジプト国旗、様々なポスターを抱えた集団のメンバーが、エジプトにおけるクーデター政権に反対するスローガンを叫び、ムハンマド・ムルスィー元大統領及び関係者に対して祈りをささげた。その後、エジプトの子供が「君は自由だ」のメロディをを歌った。アフメット・ハカン・カラギュル氏は、「アヤソフィア」メロディを歌った。
群衆にアラビア語で話す、エジプトのムスリム同胞団メンバーで元国会議員のアディル・ラシド氏は、コーランの節やハディースを読んだ。ラシドが読んだものを、ジャンスユ協会対外コーディネーターであるセラフェッティン・モラオール氏がトルコ語に通訳した。
アナトリア青年協会イスタンブル支部長アリ・ウーウル・ブルト氏は、ここで演説した。彼は、エジプトで死刑判決を下した裁判が公正ではないと語気を強め、国際世論が沈黙していることに反発を示した。
ブルト氏は、「エジプトで下された、この非人道的判決に対し声を上げず、民主主義支持を表明する者達を残念に思う。国際標準で審理を行う公正な裁判所が2 日間で528人に死刑判決を下すとはあり得ない。公正な審理ではない。これ程(多数)の被告人の調書を、一件当たり数千ページに及ぶ調書を読むのに数カ月を要すにもかかわらず、読みもせず、証人や被告弁護人の話に耳を傾けず、裁判所が判決を下した拙速な態度が、本判決が非合法であることを雄弁に示している。繰り返しとなるが、法の名の下、行われたこの茶番劇を強く非難する」と話した。
ブルト氏は、エジプト史上初めて民衆の自由意思により大統領を選出したが、ムハメド・ムルスィー大統領は2013年にクーデター派により辞職に追い込まれたことを想起させた。同氏は、「この不正義に対し、勇敢なエジプト国民は意思を提示した。クーデター派に対し抵抗し、数ヶ月に亘って抗議を続けた。選出された合法的政権を擁護し、表現の自由の範疇で平和的デモを行ったエジプト国民の代表達に死刑宣告を下すとは、どのような法理解と結びつくのであろうか?」と述べた。
ブルト氏は、ムスリム同胞団に対しクーデターを擁護する裁判所が酷い判決を出したと言い、こう続けた:
「もともと暴力的である軍事政権は、無実である同胞団メンバーを『民衆の過激化を扇動した』かどで軍事法廷で審理し、528人に死刑判決を下した。この死刑判決は、エジプト国民の闘争を停滞させない、未来の世代にとっての口火となる、と信じている。エジプトのシシ将軍やその支持者は忘れ去られるが、ムルスィー大統領やムスリム同胞団のことは忘れ得ない。」
群衆は演説後、解散した。
演説が行われたプラットフォーム前に設立された2台の絞首台が注目を引いた。
■国連ビル前で絞首台に火を放った
首都アンカラで公務員労働組合のメンバーは、エジプトで529人に下された死刑判決に対し、国連代表部に向かってトーチを持ってデモ行進を行った。デモ参加者は、その後設置された絞首台に火を放った。
アンカラでは、公務員労働組合メンバーがエジプトの死刑判決に抗議するため、デモクラシー公園に集った。その後、彼らはスローガンを叫び松明を手に、国連代表部前まで行進した。「人道主義が処刑されている。世界よ目を覚ませ」と書かれた横断幕を広げるグループを代表し、演説を行った公務員労働組合アフメト・ギュンドードゥ組合長は、「何十年間ムバラク元大統領を許容してきたクーデター派や西側勢力は、52票を獲得し国民の意思に基づき権力に据えたムルスィー大統領に対し、1年も許容せず、クーデターを敢行した。このクーデターは、民衆の意思に対するクーデターである。民主主義へのクーデター罪に、新たに人道の罪が加えられる。発生したクーデタープロセス後、エジプトの独立裁判所は、クーデターを拒絶し、クーデター派に抵抗した529人の無実の人間に対し、暴力の先導、警察署への攻撃といった捏造された罪により、3月25日に死刑判決を下した」と述べた。
デモ参加者は、報道会見の後国連代表部前につくられた絞首台に火を放った。デモ参加者は、メラメラと燃える絞首台の火を消し、その後解散した。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:33462 )