国会議長、大統領を誹謗するビデオCD「私がロウハーニーです」の頒布を非難
2014年04月28日付 Mardomsalari 紙
経済が活性化しないかぎり、そして資金の流れが金貨や外貨への投機から生産への投資に向かわないかぎり、国の経済問題は解決しない。
ラーリージャーニー国会議長は政治的な平穏こそ国の発展の基礎だと指摘した上で、「内輪もめは国民にとって何の足しにもならない」と述べた。
国会通信が伝えたところによると、アリー・ラーリージャーニー国会議長は各労働団体ならびに労働者バスィージのメンバーらとの合同会議の場で、政府は生産を支援し、経済の活性化に本腰を入れなければならないと述べた上で、次のように語った。
この点に関し各メディアも、このことが国民文化へと昇華するよう努力すべきだ。他方、国の政治的雰囲気が生産へと向かうことが必要だ。これを阻害するような問題〔=政治的対立〕に、〔過度の〕注意が向けられるようなことがあってはならない。もし国の本質的問題が生産への支援にあるのなら、政治家たちの関心もこのことに向けられるべきなのではないだろうか。それとも内輪もめばかり起こして、注意を散漫にさせることが良いのだろうか。
ゴム選出の国会議員である同氏は、さらに次のように続けた。
数日前、「私がロウハーニーです」と題されたビデオCD〔※1〕が頒布・公開されたことをめぐって、一騒動が起きた。このビデオで描かれていることは事実に反するものである。なぜなら、このCDで、ロウハーニー師はマクファーレン事件〔※2〕に関わっていたとして告発されているが、しかし彼はこの件に何ら関わっていないからだ。この事件に関わった人物はすでに特定されている。
※訳注1:これはロウハーニー大統領のキャリアを誹謗中傷する内容のドキュメンタリー・ビデオで、しばらく前から市中やネット上に流れ、また一部の大学で上映されたという。このビデオを制作した会社は、革命防衛隊関連との分析もある。
※訳注2:1980年代に発覚したイランとアメリカの武器売買をめぐる裏取引事件「イラン・コントラ事件」のこと。アメリカは武器を秘密裏にイランに売却し、その代金がニカラグアの反政府組織「コントラ」への支援に流用された。この事件で、マクファーレン前米大統領補佐官がイランを秘密訪問したとされる。
ラーリージャーニー氏は、内輪もめは国民にとって何の足しにもならないと強調した上で、
このCDを頒布した犯人たちは、歴史に対してすら嘘をついている。なぜなら、もし私たちが国内の経済改革の実現を望んでいるのなら、全員が一致団結する必要があるからだ。もしそうならなければ、こうした〔国内対立の〕動きがもたらす災いは、社会的弱者にのみ降りかかってしまうだろう。〔‥‥〕
と言明した。
同氏はさらに、次のように続けた。
国が諸外国と戦い、諸外国は〔イランに対し〕無理難題を強い、国内では経済問題、特に投資の分野で問題を抱えているときに、〔声を大にして〕言わなければならないのは、内輪もめをしたままで〔イランの抱える〕これらの問題の解決に力を注ぐことなどどうしてできようか、ということである。インフレや雇用問題を解決するためには、投資を増やし、政府のサイズを小さくしなければならない。
ラーリージャーニー氏は、政治的平穏こそ国の発展の基礎であると強調した上で、
われわれは決して、墓場のような静寂を求めているのではない。しかしウソをつき、〔事実とは異なる〕CDを頒布することは、あるべき姿ではない。他方、このCDを頒布した犯人らに問いたいのは、神に対してどう申し開きをするつもりか、ということである。こうした行為は対立激化以外の何の結果ももたらさない。〔‥‥〕目的は手段を決して正当化しない。
と述べた。
〔‥‥〕
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:33721 )