政府報道官「補助金受給辞退で1兆2000億トマーンが捻出」
2014年04月24日付 Iran 紙
補助金受給の辞退者はわずかだとの印象を与えようと躍起の政府批判系メディアによる統計操作〔※〕に対し、政府報道官は昨日、閣議が行われている傍らで辞退者の正確な数について、「240万人が現金補助金の受給を辞退した」と発表した。
※訳注:例えば、ロウハーニー政権への批判を繰り広げている保守強硬派(前政権支持派)の日刊紙「ヴァタネ・エムルーズ」は4月23日付1面で補助金受給を辞退するよう国民に促す戦略が失敗に終わったことを大きな見出しで報じ、翌24日付同紙の1面では「7300万人」という数を大々的に掲げて、補助金受給を辞退した人の数がごくわずかにとどまったことを印象づけようとしている。なお、これに対して本記事が掲載されている「イラン紙」は政府直営の日刊紙で、政権のパフォーマンスを擁護する姿勢を明確に示している。
モハンマド・バーゲル・ノウバフト氏によれば、補助金受給の辞退によって、1兆2000億トマーン〔約400億円〕の財源が政府のもとにもたらされるとのことである。この数は、前政権での補助金辞退者と比較されてこそ、その重要性が分かるというものである。過去数年間で、現金補助金の受給を辞退したのは、954名にとどまるからだ。
大統領が「政府は補助金辞退者の〔お陰で節約される〕費用を財源〔とした資金の使い道〕について、一つ一つはっきりとした詳細を国民に伝えていく方針だ」と言明してからわずか数日後、ノウバフト氏は国民の補助金受給の辞退によって捻出される財源の活用に関する政府の第一次計画を、以下のように発表した。「今回の補助金辞退で捻出される財源は、生産部門や公共交通部門、保健医療部門の強化、ならびに低所得者層への支援に使われる」。
IRNA(イラン国営通信)によれば、同氏は次のように付け加えた。
〔現金補助金の受給登録の〕初めの数日間、補助金受給の登録を行わなかった人の数は10パーセント以上に達し、7~800万人が受給を辞退するものと予想されていた。しかし各世帯の〔その後の〕判断によって、最終的には計7300万人が補助金受給の登録を行った。
※訳注:現金補助金の登録期間は4月9日~18日で、19日・20日の猶予期間が設けられていた。
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■ インフレ率の抑制に向けて努力
昨年インフレ率を36.2%から32.1%に押し下げることに成功した第11期政権は現在、《補助金目的化》法の第2弾の施行開始に伴い、再びインフレ率の上昇に直面するのではないかとの批判にさらされている。
しかし政府報道官は、政府は1393年〔2014年3月21日〜〕にインフレ率を抑え込む決意だと強調して、こうした批判に反論、「大統領をはじめとする政府の責任者らが何度も表明しているように、〔ガソリンなどの〕エネルギー・キャリヤーの価格引き上げ幅は極めて限定的で鈍いものとなる予定だ。これについては、石油省や国営石油製品流通公社の方から、〔引き上げを〕実施するときに発表があるだろう」と述べた。
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( 翻訳者:8410068 )
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