アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィー、エジプトでの大量処刑判決を批判
2014年05月01日付 Jam-e Jam 紙
アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはエジプトのムスリム同胞団のメンバーら700名に対して死刑判決が、また500名に対しては終身刑が下されたことを批判し、「われわれはこれを批判する。なぜなら、この種の判決はイスラーム世界では前代未聞だからだ」と述べた。
イラン国営通信が伝えたところによると、マルジャエ・タグリード(シーア派の宗教最高権威)である同師はゴムの大モスクで開かれた上級コースの授業で、「エジプト政府のこうした措置は、シオニスト体制〔が悪行に手を染めるの〕を容易にさせるものである。彼らは明日にでも、500名のパレスチナ人を気軽に処刑してしまうだろう。『ムスリムであるあなた方自身、以前同じことをしたじゃないか』という理屈で、である」と指摘した。
同師はアズハル学院がこの件で沈黙していることを批判し、「われわれはエジプトがイスラーム諸国の中で先頭を行く存在であって欲しい、アズハル学院もこうした問題に抗議の声を上げ、それに対して立ち上がってほしいと願っている」と語った。
マカーレム=シーラーズィー師は、この抗議はエジプト内政への干渉ではないと指摘し、次のように続けた。
ウラマーやマルジャエ・タグリードたちは、非人道的な判決への抗議では政治的限度・境界を守らねばならないような政府官吏ではない。それゆえ、われわれはこの件で〔積極的に〕行動を起こし、自身の抗議の声を彼らに届けるべきである。その一方で、国内プレスの中でこの問題に抗議したものを、私たちが目にしていない〔のは大変遺憾だ〕。
同師はさらに、
もしイランで〔麻薬〕密売人が一人でも処刑されれば、世界の抑圧諸国は自身の持つメディア・プロパガンダ力を総動員してくるだろう。ところが、こうしたおぞましい判決がエジプトで下されたこと関しては、アメリカやEU、人権擁護を訴える者たち〔から何らかの抗議があったということ〕について、われわれは寡聞にして知らない。
と語った。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:33822 )