ザリーフ外相、国会で批判的議員らの質問に回答:議員ら、一応納得(下)
2014年05月07日付 Jam-e Jam 紙
外相はさらに、
ネタニヤフは注目を集めようと、イランがホロコーストを否定しており、新たなホロコーストを作ろうとしているなどと、騒ぎ立てている。しかしイランとイラン人は、少数派の避難所であってきたし、つねにあらゆる宗教に敬意を払ってきた。反ユダヤ主義やジェノサイドとは無縁だ。〔イスラエルの〕偽りに満ちたプロパガンダは、パレスチナに対する犯罪行為を覆い隠すものでしかない。シオニスト体制は、他者が自身に加えた不正義を口実にして、パレスチナ人らを抑圧しているのである。
ザリーフ外相は外国のテレビ局とのインタビューのほんの一部のみが国会で流され〔問題視され〕たことを批判した上で、インタビューでも以上のような立場を示したと強調して、次のように述べた。
以下とまったく同じことを、インタビューでは述べた。すなわち、「イラン国民はその力強い文化とコーランへの敬意によって、どこであれ、またどんな形であれ、殺戮を非難している。シオニスト体制はこのような〔=イランがホロコーストを否定しているといった〕口実によって、〔自らがパレスチナで犯している〕犯罪行為にフタをし、イランへの恐怖をまき散らそうとしている」。
イランの危険性を吹聴して、〔地域や世界の〕安全保障上の問題にしようとする企てを水泡に帰すべく、〔‥‥〕私たちは誇り高く努力している。政府の外交政策によって、ネタニヤフから心の平穏が奪われ、彼は受動的な立場、孤立へと追い込まれている。これは大いなる勝利であり、〔レバノンの〕ヒズブッラーの総書記も、〔パレスチナの〕イスラミック・ジハードも、個人的にこのことで私に感謝の意を伝えてきている。こうした〔イラン政府の〕動きは、地域の革命勢力を喜ばせている。このような成功は世界で注目されているのと同じように、イランでも言及されるべきであり、〔ロウハーニー政権の外交は弱腰だ、欧米に対して妥協的だ、といった風に〕正反対に示されるべきではない。
■ 私たちは勇敢な国民であり、憂えてはいない
ザリーフ外相に質問を行った議員らは別の質問の中で、外相はイランの防衛力に疑問符を付けたことを問題視し、また外務省が防衛上の問題で協議をするためにイランを訪れようとしていた、ある外国の使節団に、イラン訪問の許可を与えなかったことについて質問を行った。
ザリーフ外相はこれらの質問に対して、外務省がこの件で外国の使節団の訪問を阻んだことは一度もないと説明、さらに外相がテヘラン大学で、アメリカのミサイル一発でイランの防衛システム全体は麻痺してしまうと述べたとされる問題については、次のように語った。
もっとも重要な力の要素とは、人民全体の不撓不屈の精神であり、イラン防衛に全力で参加する用意であると、私は考えている。イランは人民に依拠した国であり、超大国に頼るような国ではない。イラン政府は、自らの力と正統性を、外国の大国ではなく、人民の票と最高指導者の承認からのみ得ている、域内で唯一の政府である。いかなる国も、この〔力の〕源泉を枯らすことはできない。
ザリーフ外相は世界との建設的な関係の必要性を再度強調した上で、「平和を求め、建設的な関係を希望する私たち国民と政府は、国と革命を守るためにも、世界と〔前向きな〕交流を行っている。私たちは勇敢な国民であって、憂える国民ではない」と語った。
こうした外相の発言を受け、キャリーミー=ゴッドゥースィー議員は質問者らを代表して、外相の回答に納得したことを表明、今回の議員たちによる閣僚への「質問劇」は幕を下ろした。
〔‥‥〕
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33853 )