原因、依然不明―ソマ炭鉱爆発事故
2014年05月15日付 Milliyet 紙

ソマ炭鉱での悲劇に関し、非常に多くの意見や疑問が生じた。

■「上司が間違った方向へ誘導した」

炭坑から一昨晩、無事に脱出した鉱夫の一人であるオズジャン・ジュレ氏は、事故について「上司が誤った方向へ誘導したのだ。空気が入ってきている部分へ案内し、そちら側へ行った同僚は全員そこにとどまった」と説明した。

ジュレ氏の説明は、「意識的な誘導がされていれば、もっとたくさんの鉱夫の命が救われたのであろうか」という疑念を生んだ。

会見でジュレ氏は本紙に対し、「我々は救われると上司らは考えた。でも意識的に何もやらなかった。二方面から煙が来ていて、真ん中で身動きが取れず留まってしまった。同僚の中には我々のいる所に来られず、ガスの被害を受けた者もいる」と語った。ジュレ氏は炭鉱で働き始める前、緊急事態が発生した場合の脱出に関する情報を知らされたが、このような状況下で実際に実行することは不可能であったと述べた。トルコ技術者建築家会議所連合の鉱物技術者会議所アイハン・ユクセル代表は「我々には誘導にて誤りがあったというような情報は来ていない」と話した。

事故の直後、炭鉱の150メートル下にあった電気系統の爆発が今回の悲劇の原因であると明らかにされた。しかし専門家は火災発生の原因を、石炭が空気に接触したことに結びつけ、鉱夫はというと一酸化炭素中毒に陥ったと考えている。専門家の見解は以下の通り。

―メフメト・トルン氏(鉱物技術者会議所代表):「事件は、古い炭層が鉱山での火災の発生源となった。一酸化炭素が発生し、鉱夫らは中毒を起こした。完全燃焼となっていたら二酸化炭素が発生したのであろうが、不完全燃焼であったため一酸化炭素が発生したのだ。以前掘られた場所と新たに掘られた地点の間には「かかと」 と呼ばれる距離が置かれなければならないのだが、この炭鉱では十分な距離がとられていなかったのは明らかである。これも壁の後ろに酸素が触れ、火事を促進させる要因となった。壁に穴が開いて、濃い一酸化炭素が蔓延している。」

―エフカン・クルト氏(鉱物技術者会議所マニサ支部代表):「火災は電気系統から発生したのではない。私は地下に入り調査を行った。石炭が空気と触れたために炎が起こり、生じたようだ。火事の発生地点へ到着して最初に行ったことは、空気の流れを反対方向へ変えることであった。炭鉱にある2つの煙突のうち一つは空気が送りこまれ、もう一つは空気を取り込んだ。これらを逆にし、中のガスを分散させ、鉱夫らを安全な形で救出するために尽力した。」

―マヒル・ウルタシュ氏(イズミル電気技術者会議所代表):「地下で任務を遂行している鉱夫と技術者の情報によると、事故は電気系統の爆発によるものではな く、石炭が燃えたことによる。悲劇の根源はというと、火事が地下へ空気を入れるための線に沿って発生したということだ。火災は、炭鉱の底に新鮮な空気を入れる線を通じて進んだ。我々の得た情報によると、炭鉱内部の毒ガスを外へ出すシステムが自動的に作動しなかったということである。」

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( 翻訳者:足利阿紀 )
( 記事ID:33866 )