ソマでの炭鉱事故から4日目を迎え、全国のあらゆるモスクで祈りが捧げられた。事故で亡くなった作業員たちのために故人不在の葬儀の礼拝が行われ、説教が読まれた。
トルコ国内の多くの場所で、そしてまた国外でも抗議活動が行われた。亡くなった炭鉱作業員のため、大勢の労働者や学生のグループが犠牲者のために黙祷をする一方で、抗議活動では「TOMA(暴動鎮圧装甲車両)でソマを終わらせられるのか?」、「これは事故ではない、殺人だ」といったスローガンが見られた。
■我々に教訓を与えてくれた
メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は、アンカラにあるアフメト・ハムディー・アクセキ・モスクでの金曜日の説教で、「今日、事故で亡くなった 方々は我々にこのような教訓を与えてくださいました。すなわち、人間の努力を無碍にすることや人々の権利を侵害すること、そして禁じられていることをわずかであっても犯すことが、どれ程までに大きな過ちであるかということを示してくださったのです」と述べた。アドゥヤマン県のウル・モスクで読み上げられた祈りは、市やや各郡にある760のジャーミーにいる人々にまで届いた。エルジンジャン県にある453のモスクでは故人不在の葬儀礼拝が行われ、また今回の炭鉱事故についての金曜説教が行われた。ボル県では2.000人の人々がカドゥ・モスクで故人不在の葬儀礼拝をおこなった。
イスタンブルでは‘レヴェント・ソマ監視団’という名前のグループが、マスラク地区にあるソマ・ホールディングスが所有するスピンタワーの前でデモを行った。トゥズラ地区ではトルコ革新労働組合連盟(DISK)の造船所作業員たちが犠牲者たちのために行進を行った。女性団体や女性たちは、イスティクラル通りのガラタサライ高校の前で様々な時間にデモを行った。夕方になると、カドゥキョイでは蝋燭に灯をともし、ヘルメットで犠牲者たちを哀悼する回廊が作られた。この声無き活動に対しても警察は介入を行い、グループは解体された。
アダナ県セイハンでは、ファティーフ・テリム・アナドル高校から150人の生徒たちがイノニュ公園に集まった。顔を炭で黒くし、また黒い服を着た生徒たちは、「炭は決してソマで父を亡くした子供たちの心を温めることはできない」と書かれたプラカードを持って黙祷を行った。
イズミル弁護士協会の職員たちは、「これは事故ではない、殺人だ」と書かれたプラカードを持ち、アルサンジャックにある弁護士協会の建物の前で黙祷を行った。前日(16日)のデモで逮捕された90人の職員たちは解放された。
サムスン県カバク郡にある小学校の2年生の児童たちは、ソマの炭鉱で命を落とした炭鉱作業員たちのために黒い絵の具だけで絵を描いた。児童たちはまた、顔を黒の絵の具で塗った。
マニサ県ではジェラル・バヤル大学の学生らが炭鉱作業員たちのためにコーランを読んだ。
クルックカレ県では、共和国広場でのデモに参加した人々が「TOMA(暴動鎮圧装甲車両)でソマを終わらせられるのか?」という言葉を掲げた。オスマニイェ県、メルスィン県、ゾングルダク県でもデモが行われた。
バルケスィル県のサバシュテペ郡では、500人の炭鉱労働者が市庁舎の前で2時間の座り込みを行った後に2キロに及ぶデモ行進を行い、そしてバルケスィル-ソマ間を結ぶ道路を2時間半に渡り閉鎖した。機動隊は解散しないデモの参加者たちに向け、催涙ガス弾で介入し、20人を逮捕した。
■ロンドンやニューヨークで
イギリス首都ロンドンのトラファルガー広場に集まったあるグループは、地面に置かれたヘルメットやスローガンの書かれたプラカードと共に政府への抗議活動を行った。アメリカ合衆国ニューヨークでは、とあるグループがトルコのプラカードを掲げた。オランダやスイス、ノルウェーで故人不在の葬儀礼拝が行われた一方で、ベルギーやハンガリーでは追悼式が 行われた。アゼルバイジャンでは炭鉱作業員たちのためにメヴリトが読まれた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:33899 )