ソマ炭鉱事故において亡くなった安全部局チーフ技術者のスィナン・ユルマズさん (35)は、爆発の後、補佐役の「外へ出よう」という警告があったにも関わらず、作業中の友人たちを残しておくことができず、現場に留まっていたことがわかった。若い技術者の最期の旅路を、2歳になる娘のオイキュちゃんと、妻のベルナさんが棺にキスをして見送った。
多くの炭鉱労働者の墓場となった炭鉱で死亡したユルマズさんが、爆発の後、作業中の友人たちを現場に取り残さないために外へ出ず、命を落としていたことがわかった。若い技術者の補佐役は、爆発の後、外へ出る必要があることを告げたが、ユルマズさんは友人たちを残しておけないと返答したことがわかった。スィナン・ユルマズさんのために、エフェ・ダユ・ジャーミーで午後礼拝の時間に葬儀が行われた。若い技術者の最期の旅路を、彼の娘のオイキュちゃんと妻のベルナさん、親戚たちと友人らが見送った。
ベルナ・ユルマズさんは、トルコ国旗に覆われた夫の棺を長い間撫でてキスをした。夫の棺を抱きしめ泣いた心痛の妻は、時折娘を抱きしめて支えを得た。夫のために涙を流したユルマズさんは、「怠慢をなした者にも、アッラーが苦しみを与えますように」と述べ、夫の死が若すぎる死であるとして、夫にこう語りかけた。「まだ35歳だったのに、私たちを早くに遺して行ってしまいました。どうしてこうなってしまったの?あなたは仕事から疲れて帰ってくるはずだった。私はあなたのためにご飯をつくるはずだった。何があったの、早く起きて。私はこれから娘をよく育てます。私たちの娘に、いつもあなたのことを話します。3ヶ月で死んでしまった、殉教者になったのだから、あなたはアッラーに愛された僕だったのでしょう」
若い技術者の父も、孫を抱きしめて泣いた。共和人民党の元党首であり、アンタルヤ選出の国会議員であるデニズ・バイカル氏も、ジャーミーを訪れ、技術者の家族と親戚たちへお悔やみを述べた。葬儀の礼拝の後、若い技術者は土に埋められた。
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( 翻訳者:白尾みさき )
( 記事ID:33914 )