北イラク政府、PKK関連組織を強制捜査、多数を拘束
2014年05月19日付 Milliyet 紙

(イラク北部)アルビルでPKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)に関連する組織に対する強制捜査がおこなわれ、多数が拘束された。

クルド民族会議(の結成)(※KDP主導のシリア系クルド政治組織の連合体)によって始まったロジャヴァ(シリアのクルド人地域)を巡って続いているPKKとマスード・バルザーニ氏が代表を務めるKDP(クルディスタン民主党)の間の緊張は、武力衝突の寸前まで高まっている。シリアでKDPと並行して活動しているシリアのクルド組織の活動が妨害され、その指導者とメンバーが拘束されたことへの報復として、北イラクのPKK関連組織に対する一斉強制捜査が行われたのである。同捜査では多数が拘束された。

マスード・バルザーニ氏が指導するKDPとPKK及びPYD(民主統一党:シリアのクルド系政党)との間の非難合戦による緊張は、イラクのクルディスタン地域からロジャヴァへ抜ける国境ゲートの閉鎖とともに始まり、国境塹壕建設により最高点を迎えつつあった。そして、それは18日、北イラクでの強制捜査により頂点に達した。ロジャヴァでKDPに近い政党の幹部と党員が拘束され、数人が逮捕されたことに対する報復として、アルビル、ドフーク、ザホでPKK とその関係政党及び組織を対象に強制捜査がおこなわれたのである。同地域の治安部隊は、イラクで活動しているクルディスタン民主解決党 (PÇDK)、本部がヨーロッパにあるクルディスタン民族会議(KNK)事務所、ディジュレ通信社(DİHA)、ワシャナ・ロジ・ウェラト雑誌社、クルディスタン愛国青年本部のアルビル、ドホーク、ザホの事務所及びクルディスタン自由女性組織(RJAK)のアルビルの本部などに対する強制捜査をおこなった。捜査がおこなわれた事務所の多数のスタッフが拘束された。PÇDKはしばらく前にKDPのアルビル執行部から「違法」と宣告されていた。

拘束された人の数と(かれらの)その後に関する情報は得られていない。1997年にPKKとKDPの間で起きた武力衝突の後、アルビルで活動していたPKK関連の多数の組織に対する強制捜査がおこなわれ、軍事作戦でそれらの組織のメンバーが多数殺害された。二つの組織間に生じた問題が同地域での武力衝突再開の要因となるとの懸念が生まれる一方、どちらにも所属しないクルド人のグループが活動を始めた。同地域の強制捜査を止めさせ、そして、二つの政党の和解の模索が始められた。和解が為されなければ報復のためにロジャヴァ地域でKDPと平行して活動を続けている組織に対する包括的な軍事作戦も検討されうると言われている。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:33929 )