トルコ経済政策研究財団報告「ショッピングモール増え、小売商減」
2014年05月19日付 Radikal 紙


トルコ経済政策研究財団(TEPAV)の5月雇用観察報告書によると、トルコは全体で小売商の数が一年で3.4%、数にして60,4000店舗減となり、184,900にまで減少した。

トルコ中小事業者連合(TESK)会長ベンデヴィ・パランドケン氏は、小売商の店舗数減少の理由としてショッピングモールやスーパーマーケット、ハイパーマーケットの数の増加を示し、以下のように話した。「常設市や大通りに面した商店の商売は無くなりつつある。事業者(店主)たちは店員になっており、企業家にはなっていない。」

■イスタンブルで31,000の小売商がシャッターを下ろした

TEPAVの報告書によると、昨年に比べ、小売商の数はイスタンブルとアンカラ、イズミルで最も減少する一方、サムスンとウルファ、サカルヤ、スィノップ、オスマニイェ、ウシャクで増加を示した。報告書によると、増加率を見るならば、小売商の数が昨年に比べ14%増加したシノプが第一位、減少はというと11.9%の減少でギレスンが第一位であった。

季節的要因を取り除くと、2012年10月にピークに達した小売商の数は2014年1月まで減少傾向が続いていた。経済不振対策がとられた2012年10月から2014年1月まで小売商の数が118,000減少した。小売商の数がイスタンブルでは31,000減少し441,000に、アンカラでは8,000減少し118,000に、イズミルでは7,000減少し108,000になった。同時にメルスィンとブルサ、ハタイ、カイセリ、アイドゥン、エスキシェヒル、アンタルヤ、デニズリ、アダナ、コジャエリ、ギレスン、チャナッカレ各県の小売商の数は最も減少している。

■最も多く女性小売商が活躍しているのはエスキシェヒル

県全体における小売商の数に占める女性小売商の割合を見てみると、第一位は26.8%でエスキシェヒルとなった。エスキシェヒルにイズミル、ヤルコヴァ、ビレジキ、コジャエリ、ウシャクが続く一方、男性小売商の数が最も高い割合となっている県はというと94.8%のスィイルトであることが分かった。スィイルトにシュルナク、ビトリス、ヴァン、アール、ハッキャーリ、ムシュが続いた。女性小売商の割合が低い県は、依然として東・南東アナトリア地域の県が上位を占めている。

■「小売商がいなくなれば実業家もいなくなる」

TEPAVのデータをDHA(ドアン通信)のために分析してくれたTESKのベデヴィ・パランドケン会長は、小売商の数における減少を、小売業界を整備する法律ができないことと、これによって生まれる不当な競争のためだとし、以下のように語った。「昔のように父親から引き継いだ仕事を続けることはできない。少額の資本(小規模資本家)は増えていない。ここでは最も大きな要因は市場状況である。今や誰でも会社をつくり、専門知識を有する証明を求められることなく商工会議所に加入登録することができる。小売商の労働部門が別の業界に移っている。小売業界を整備してやりやすくすべきだ。小売商は経済の基礎である。小売商がいなくなれば、実業家もいなくなる。小売商の減少は商業における不振につながるだろう。」

■「もう一人のコチュ、もう一人のサバンジュは生まれない(訳注:コチュ、サバンジュともトルコを代表する財閥創始者)」

小売商の数の減少をもたらした別の要因は、ショッピングモールやスーパーマーケット、ハイパーマーケットであると指摘するパラドケン会長は、以下のように話した。「常設市や大通りに面した商店による商売は無くなりつつある。事業者(店主)たちは店員になっており、企業家にはなっていない。他の人(が考案した)の品物をフランチャイズ方式で、売っている。市場はこうして成長しているが、将来の企業家はいない。もう一人のコチュ、もう一人のサバンジュは生まれない。800年にわたる伝統の結果がこれらの富となったのだ。小売商の根本は伝統を重視することから来ているのである。」

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( 翻訳者:鈴木歩実 )
( 記事ID:33932 )