ソマ炭鉱事故、炭鉱オーナー逮捕免れる?
2014年05月22日付 Yeni Safak 紙


アルプ・ギュルカン氏についてアクヒサル共和国首席検事局による逮捕要請を裁判所は拒否した。ソマ炭鉱のオーナーであるギュルカン氏に欠陥があったことを示す証拠が見つからないという裁判所の見解は説得的ではない。ソマ炭鉱の最大株主であるギュルカン氏は同時にティラガ鉱業のオーナーでもある。

検察サイドによるアルプ・ギュルカン氏についての逮捕請求を拒否したアクヒサル裁判所による「提出資料には欠陥があったことを示す証拠が見つからない」との理由は説得的ではない。トルコ全土が喪に服した、そして301人の抗夫の死をもたらす悲劇が起こった株式会社ソマ炭鉱では、ギュルカン氏は現在のところ39.79%の株式を持ち、最大株主の立場にある。ギュルカン氏は同時に株式会社ソマ炭鉱が過半数に及ぶ53%もの株式をもつティラガ鉱業のCOEでもある。

■事故前の危機的な転換

会社社長であるアルプ・ギュルカン、ジャン・ギュルカン両氏は5か月前、ラマザン・ドール氏を鉱山で起こりうるすべての業務事故が生じた場合、訴訟上の「唯一の責任者」として選んだことが明らかになった。アルプ・ギュルカン氏は10年以上もの間、同社の最高役員、責任者であったが、内部通達により執行取締役会を離れ、代わりに息子のジャン=ギュルカン氏を就けた。この改革を実施した会議において同社の新執行部役員として選ばれたラマザン・ドール氏は、事故により発生しうる法的・刑事的調査における唯一の責任、関係者として任命されることが決定しされた。

■ドール氏「署名は偽造だ」

ギュルカン親子があらゆる業務上事故の刑事的責任から逃れるために、彼らが唯一の責任者であるとしたラマザン・ドール氏はというと、これを否定した。本紙の質問に答えたドール氏の弁護士は、ドール氏が当の内部指令が示されている会社の商務文書をソマ事件後初めて見たと述べた。ドール氏は、業務上の事故発生で法的・刑事的責任が生じた場合、訴訟上の「唯一の責任者」であるとする2013年12月24日付けの商事文書に自身が書いたとされる署名が偽造であると主張した。

■莫大な資産はギュルカン氏に、刑罰は会社役員に

運営権の賃貸合意をもって2004年以降ソマで引き継いだ鉱物から20億リラを超える利益をギュルカン家が手に入れたと推測されている。株式会社ソマ炭鉱はイスタンブル商工会議所の最大産業会社リストにおいて295番にある。資料によると、同社は石炭業により2010、2011、2012年度の計3年度で合計8億2千6百万リラ分もの利益を手に入れた。2004年から2014年の間同社のCOEをアルプ・ギュルカン氏、その補佐をその息子ジャン・ギュルカン氏が務めた。アルプ・ギュルカン氏は2014年1月から業務を息子に引き渡し、ラマザン・ドール氏を「業務上の事故の唯一の責任者」として決定づける内部指令を出した。しかしドール氏は同社における金銭管理の権限もなかったと主張し、文書に投じられた署名もドール氏本人のものではなく、偽 造であると述べた。

■財産の調査を

ソマの悲劇で亡くなった抗夫のうちムスタファ=コジャバシュさんの遺族は、株式会社ソマ炭鉱の全財産の差し押さえを要求し、物理的・精神的賠償訴訟を起こした。コジャバシュさんの遺族の弁護士であるハカン・カフラマン氏は、ムスタファ・コジャバシュさんの兄ムサさんとソマ裁判所を訪れ、第一初等裁判所に訴訟を申請した。カフラマン氏は、同社が国から受け取るものすべてのもの、銀行口座、保証金、不動産・動産に差し押さえ措置を取るよう要求したと述べた。同氏は同社の財産持ち逃げの動きがありうることに注意を促し、以下のような警告をした。

「大きな事件、300人以上が亡くなった事件である。遺族には賠償金が支払われねばならない状況だ。同社の資産移転が起こりうる。この結果として約2年後訴訟が終了した後、賠償金の問題が起こりうる。このため、裁判所が措置をとって財産の差し押さえ決定をおこなう必要がある。」

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( 翻訳者:渡辺夏奈 )
( 記事ID:33962 )