ディヤルバクル県のリジェ郡とムシュ県のバルト郡でデモ隊と兵士らが衝突し、16名の兵士が負傷した。
ディヤルバクル県リジェ郡チャウルの近くで発生した、治安部隊と道を封鎖するPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)支持者たちの衝突は、夕方になりますます激しさを増した。地域で警戒に当たっていた兵士たちに対し、デモ隊は、釘で補強された手榴弾や花火、石などを使い攻撃した。一方ムシュ県バルト郡では、道を閉鎖したPKK支持者たちに対し、軍警察が介入した。これらの衝突で体に石が当たった兵士ら16名が負傷した。
この時、PKKのデモ隊のうちの1人が、手に持っていた手榴弾が爆発し片腕が吹き飛んだとして、ディヤルバクル・ディジュレ大学附属病院に搬送された。PKK支持者らが投げた石が当たった2人の兵士も負傷した。
衝突の際に道を塞いでいたグループから銃弾の音が聞こえ始めると、兵士たちは堡塁の内側に入り警戒した。夕方になり、治安部隊はデモ隊に対してガス爆弾やTOMA(暴動鎮圧装甲車両)からの放水で介入を始めた。
■リジェでは兵士への発砲があり、衝突が起こった
トゥズラ村のクラランとメザルルックラルでは、夕方ごろ、リジェ郡で道を塞いでいた集団に介入する治安部隊に対し発砲が行われた。特にクラランにおいては、兵士らは長身銃による発砲に直ちに応戦した。およそ1時間続いた衝突で死者やけが人はいなかった。治安部隊に発砲したPKKの支持者たちはその後衝突のあった一帯を離れた。治安部隊による警戒は夜になっても続けられた。
■PKKはビンギョル―カルルオヴァ間の道を塞いだ
PKKの支持者たちは、ビンギョル―カルルオヴァ間の幹線道路を25㎞付近で封鎖し、通過しようとする車両を停止させた。通行者に対し検問を行ったPKK支持者らはまた、組織の宣伝も行った。軍警察は、背中に銃を背負い、無線機を持ったPKK支持者に対し、カレジッキ村付近で警戒にあたると同時に、車両の通行許可を与えなかった。およそ2時間半に渡り封鎖された道は、PKK支持者らが現場から立ち去った後に封鎖が解かれた。またその地域では治安部隊が広範囲に警備を行った。
■バルト郡では16人の兵士が負傷した
ムシュ県バルト郡で道を封鎖したPKK支持者に対しては軍警察が介入し、PKK支持者が投げた石が体に当たった16名の兵士が負傷した。朝方、バルト―カルルオヴァ間の幹線道路のレイレッキ村付近にやって来たPKK支持者らは、路上でタイヤを燃やしながら、太鼓やズルナと共にハライを踊り、通行中の車を止めてキーを没収した。あっという間におよそ200台の車が身動きのとれない状態となった道路では、話し合いが行われたにも関わらず道の封鎖が解かれなかったため、現場に駆け付けた軍警察が介入した。朝停止させられていた車のうち県特別行政体所有のトラックと重機に放火したデモ隊は、軍用車両にも石の雨を降らせた。およそ30分間デモ隊に囲まれて閉じ込められた軍の車両を救出するために、その地域にいた兵士らはしばらくの間威嚇発砲せざるを得なかった。催涙ガスと放水による介入を受けたデモ隊は兵士らに石を投げ、その石に当たった16名の兵士が負傷した。
仲間の兵士におぶられて救急車に運ばれた兵士たちは、ここで応急処置を受けた後、バルト国立病院に搬送された。一方、体に石が当たり負傷した兵士のうちの1人は、救急車に乗りたがらなかった。この兵士は他の仲間たちに、「俺のことはいいから、現場にいる仲間たちを助けてくれ。俺は救急車には乗らない。現場に戻る」と叫んだが、他の兵士たちによって救急車に乗せられた。夜になり軍警察が県の郡の軍警察司令本部に戻った一方で、デモ隊は道の封鎖を続けた。
■PKK、ベイテュシェバプ郡では3台のトラックを燃やした
シュルナク県ベイテュシュシェバプ郡では、PKK支持者たちが、軍の部隊に物資を届け、戻る途中だった3台のトラックを燃やした。この事件は今日(5月30日)午後4時ごろ、ベイテュシェバプ軍のチュールジャ村付近で発生した。郡の中心部から15㎞の距離にあるチュールジャ村で、軍の部隊に物資を届けた後に道を引き返していた3台のトラックが、武装したPKKの支持者たちによって行く手を遮られた。PKK支持者らは運転手たちをトラックから降ろした後、車両に火をつけた。PKK支持者たちはその後山の方へと逃げた。
■誘拐された3人の従業員が救出された
リジェ郡でPKKによって昨晩(5月29日)誘拐されたDEDAŞの従業員3名は、今日夕方治安部隊が行った軍事作戦より救出された。助け出された従業員らは証言を行うため軍警察の駐屯地に移動した。夜、リジェ郡での治安部隊とデモ隊の衝突はところどころで続いた。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:34097 )