ロウハーニー大統領「鞭をつかって力づくで人々を天国に導くことはできない」
2014年05月25日付 Mardomsalari 紙
「異なる党派間の競争はある程度普通のことだが、しかしこうした流れが常態化すれば、それは好ましいことではない」
イラン大統領は、「人々の生活にあまり介入すべきではない。たとえそれが憐れみの情から出たものだとしても、である。彼ら自身に天国への道を選ばせよう。鞭をつかって力づくで人々を天国に導くことはできない」と述べた。
※訳注:ロウハーニー大統領の上述の発言は、ファレル・ウィリアムスのヒットソング「ハッピー」に乗せて楽しく踊る様子を映したビデオを、インターネット上に流したイラン人の若い男女が、警察によって逮捕されたことを念頭に置いたものだと言われている。
イラン学生通信の報道によると、ハサン・ローハニー氏は国民皆保険大会での席上、「イラン20年ビジョン」が発表されてから、およそ9〜10年が経つと指摘した上で、次のように述べた。
最初の10年間で目標の半分にまで到達するべく、何らかの形で行動しなければならなかったはずだ。つまり、20年間でイランの長期ビジョンが目標としていた地点に達成するためには、一年に8%ずつの経済成長が必要だった。
大統領はそのうえで、次のように付け加えた。
残念ながら、前半の10年間、私たちの置かれていた状況は、その点で相応しいものとは言えなかった。最初の数年は、我が国の経済成長率は4.5%程度であった。それから1〜2年後には、我が国の状況は改善したが、しかしここ2〜3年間は〔経済状況が悪化し、〕1391年〔西暦2012/13年〕にはマイナス5.8%に下がるといった具合になった。1392年〔西暦2013/14年〕については、いまだ統計は発表されていないが、基本的にはマイナス成長になるだろう。
大統領は以下のように続けた。
神のご意志があれば、20年ビジョンの政策実行にあたってわれわれが被ってきた最初の10年間の遅れの大部分を、これからの10年間で取り戻すことができるだろう。われわれが20年ビジョンの目標に到達することは十分可能だ。
〔‥‥〕
大統領は、人々を意味もなく不安にさせるのではなく、彼らを安心させるべきだと強調したうえで、
人々の生活にあまり介入すべきではない。たとえそれが憐れみの情から出たものだとしても、である。彼ら自身に天国への道を選ばせよう。鞭をつかって力づくで人々を天国に導くことはできない。預言者は手に鞭を持ってはいなかった。預言者は吉報と警告の伝達者だった。われわれもまた、吉報と警告の伝達者たらねばならない〔※〕。平穏が社会を覆うよう、皆が取り組まなければならない。
※訳注:「吉報と警告の伝達者」はコーランに見られる表現。国家は預言者ムハンマドと同じように、鞭で人々を罰する存在というよりはむしろ、神のメッセージを人々に伝える存在であるべきだ、ということを言おうとしているものと思われる。
ロウハーニー大統領はさらに、「異なる党派間の論争は、ある程度なら悪いことではない。〔‥‥〕多少の胡椒が入っている分には問題ないが、料理全てが胡椒でいっぱいになれば、叫び声をあげる者も出てくる」と述べ、さらに「何事にも程度というものがある。異なる党派間の競争や論争は、ある程度であれば普通のことであるが、全てが党派間の争いになってしまうようなことになれば、それは好ましいことではない」と続けた。
〔‥‥〕
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( 翻訳者:8410022 )
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