86名のイラン人、マレーシアで死刑の順番待ち(中)
2014年05月26日付 Mardomsalari 紙


86名の死刑囚が死の順番待ち

 マレーシアで拘束されているイラン人囚人らの問題がメディアの注目を引くようになったのは、同国で死刑宣告を受けた二人のイラン人女性の写真が公になったのがきっかけだ。

 在マレーシア・イラン大使館の発表によると、現在マレーシアの12ヵ所の刑務所には計221名のイラン人が収監されており、そのうち女性は31名、男性は190名である。そしてイラン人女性6名と男性80名が、マレーシアで死刑を宣告されているのだ。

 駐マレーシア・イラン領事のモルタザー・ジャーヴダーン氏はこの件について、次のように言っている。

マレーシアにいるイラン人社会は、主に学生、ビジネスマン、および〔マレーシアで〕教育を受けた人たちからなっている。残念なことに、ほんの一部の犯罪者たちがマレーシアにあるイラン人社会のすばらしさに影を落としている。彼らの行動のせいで、イラン人の適切なイメージが同国では示されずにいる。

 同氏はさらに、次のように言明した。

在マレーシア・イランイスラーム共和国大使館はこうしたマイナスのイメージの拡大を阻止すべく力を尽くしている。〔‥‥〕〔マレーシアの刑務所に収監されている〕イラン人囚人の多くは麻薬密売の罪に問われている人たちで、彼らの過半数は悪徳の密輸業者の犠牲になった人たちである。

外務省もこの問題に関心

 マレーシアで拘束されているイラン人囚人の数が発表され、またこの問題への彼らの家族の不安が募っていることがきっかけとなって、イラン外務省もこの問題に関心を示すようになっている。外務省は国際弁護士を活用することで、収監されているイラン人の救出に向けて動き出している。また、イラン外務省は有罪判決を受けた受刑者の引き渡しに関する合意文書を、イランとマレーシアの間で締結しようと考えており、この件での話し合いが始まっている。

 この件について、マルズィーイェ・アフハム外務報道官は次のように述べている。

この件では、我が国の大使館は自らの使命に基づき、マレーシアでイラン国民が逮捕されたとの情報を入手次第、問題を調査している。通常、大使館はまず拘束されたイラン人と面会し、それから彼らに自分たちの権利について説明を行っている。例えば、〔マレーシア警察・司法に〕弁護人や通訳を付けるよう求めることや、裁判で大使館の代理人の出廷を求めること、衛生・福祉用品をはじめとする生活必需品の提供を求めること、などである。

 同報道官はさらに、次のように指摘している。

外務省や大使館は、イラン人の囚人、特に個人弁護人がいないまま死刑判決を受けた者たちの支援に力を入れている。〔その結果、〕個人弁護人を雇うことのできない囚人らを見つけ出し、そうした人々の多くに対して個人弁護人を雇うことに成功している。〔‥‥〕

 アフハム報道官はまた、イランとマレーシアの間で有罪判決を受けた受刑者の引き渡しに関する合意が締結される〔よう努力が続けられている〕と指摘した上で、「こうした合意は、イランと一部の国の間ですでに締結されており、マレーシアとの間でも締結されるよう取り組んでいるところだ」と語った。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:34208 )