カイザーツエイモリ
同氏は我が国から密輸される動物の種類について、次のように付け加えた。
ペルシア湾岸の国々では、猛禽類やフサエリショウノガンの人気が高く、ハヤブサやバーバリーファルコン、セーカーハヤブサのような動物を買うために、約2億トマーン〔約700万円〕もつぎ込むほどだ。カイザーツエイモリ(ロレスターン・イモリ)も近頃取り引きが流行している動物で、東アジアの市場では〔一匹〕1000ドルで売られている。
アルテミアはウルミエ湖のような生息地で採取される動物である。悪徳業者はこの動物を東アジアにある化粧品製造工場などに密輸することで、この動物を危機にさらしている。アルテミアだけでなく、薬品製造に用いるために国内から密輸される動物としては、国内に生息する一部の毒ヘビにも言及しなければならないだろう。
ミーラーンザーデ氏は、さまざまな動物の違法売買が国内で活況を呈している理由について、次のように述べている。
人々は自然から離れてしまっており、野生動物を買うことで自然との距離を縮めることができるなどといった誤った考えを持つようになっている。しかしこうした行為は、国の自然環境が傷つき、さまざまな動物種が死滅する事態を招くだけである。
その一方で強調しなければならないのは、国内には基準に合致した動物園のような場所がないことが、野生動物の売買増加の原因の一つとなっていることだ。
テヘラン州環境保護部隊の司令官は、「3年前までは、猛禽類の売買をめぐる問題が取り沙汰されることが多かったが、ここしばらくはザグロス・リスやカイザーツエイモリの売買が盛んになっている」と続けた。
■ 招かれざる客
こうした中で指摘しなければならないもう一つの点として、次のようなものがある。すなわち、イランの地理的位置が理由で、密輸業者は一部の種を我が国からヨーロッパへと密輸する一方、非在来種が国内にもたらされることで、国に取り返しのつかない被害が及ぶ可能性がある、ということである。実際、九官鳥やオウムといった鳥や、イグアナなどの爬虫類、さらにはタランチュラといった一部の昆虫類がなんの規制もなく、国内に流入しているのだ。
スィースターン・バルーチェスターン州環境保護局のホスロウ・アフサリー局長は、オウムや九官鳥といった種がパキスタンからイランに流入していることについて、ジャーメ・ジャム紙に次のように述べている。
悪徳業者はこれらの鳥を、200羽から500羽単位で国内に密輸している。というのも、パキスタンではこれらの鳥は安価であるためだ。例えば、彼らは九官鳥を約500トマーン〔約15円〕で仕入れているが、イラン国内ではその値段は50倍にもなるのである。
つづきはこちら
関連記事(イランもペット・ブーム)
( 翻訳者:8411145 )
( 記事ID:34218 )