キルクーク、クルド人支配下に
2014年06月12日付 Radikal 紙


イラクの石油生産の拠点、キルクークからイラク政府軍は完全に撤退した。その後キルクークはクルド勢力に制圧され、イラク軍の兵士は一人も残っていない。

イラクの石油生産の拠点で、イラク・シリア・イスラーム国(ISIS、トルコ語ではIŞİD)が侵攻した北イラクの都市キルクークからイラク政府軍が撤退したことを受け、イラク・クルド連合はキルクークを制圧したこと宣言した。北イラクの「ペシュメルゲ(ペシュマルガ、クルド民兵組織)」のスポークスマン、ジェッベル・ヤヴァル氏はロイター通信に「全キルクークはペシュメルゲが制圧した。イラク軍の兵士はいない」と語った。

ISISがモースルとティクリートを制圧したこと、イラク軍がこれら地域から撤退したことから、クルドのペシェメルゲが周辺で唯一の連合武装組織であると見られている。

ISISの戦闘員たちはイラクを南下し、首都バグダードやシーア派のイラク国民が多く住む地域への進軍を狙っていると言われている。

BBCのアルビル特派員のジム・ムイル記者は、クルド勢力は結束力と軍事力があるゆえに、イスラーム過激派(ISISのこと)はニネヴェ県の県境周辺にいるクルド人勢力との衝突は避けるだろうとしている。

ISISはバグダードの西部ファルージャを支配下に置き、そこから新たに攻勢を強めようとしているとムイル記者は言う。一方、イラク議会で12日に開かれる予定だった会議は定足数に満たなかったため中止となっている。

クルド連合のシルコ・ラウフ将軍はAFP通信に「キルクークにおける我々の存在感は強まった。ISISの支配下にある地域へ進軍するように指示を出している」と述べた。

■イラク議会、中止

イラクのクルド人たちは長年キルクークを自治区域へ統合することを目指していた。キルクークの一部はこの一週間でISISの支配下に入り、ムスルから逃げてきた市民の中にはクルド地域に避難した人たちもいた。また撤退するイラク政府軍とともにバグダードへと向かった市民もいた。

政府系の軍事勢力は昨日11日、バグダードから110キロメートル離れたサーマッラーでISISの侵攻を止めた。しかしながらAFP通信によると、ISISはサーマッラーを抜けて南下を続けているとのことだ。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:34274 )