革命最高指導者「何人も人民の選択に由来する力に抗ってはならない」(4)
2014年06月07日付 Mardomsalari 紙
http://www.khamenei.ir/より
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「アメリカは世界の国々や政治グループ、ならびに有力者らを次の3つに分類している。《アメリカの命令に従順な国》、《今のところアメリカが穏便に接している国やグループ》、そして《アメリカの命令に従わない国やグループ》の3つだ」とした上で、次のように続けた。
命令に従順な国々に対するアメリカの接し方は、「彼らへの完全かつ全面的な支援」と「彼らの行っている醜悪な行為の国際社会における正当化」である。もちろん、こうした惜しげもない支援の見返りとして、アメリカは自分たちの利益になるよう、彼らを搾取している。
イスラーム革命最高指導者はアメリカの全面的な支援を受けている、一部の反動的で極めて専制的な国々〔※サウジアラビアなどを想定〕について言及し、「アメリカは選挙もろくに行われず、そこに住む国民にも発言権が与えられていないような国々を、独裁国家ではなく、家父長的な国などと呼んで〔こうした国への自分たちの支援を正当化して〕いる」と述べた。
革命最高指導者は、アメリカによる分類で第2のグループとして分けられているのは、「共通の利益のために、今のところアメリカは穏便に接してはいるが、機会さえ見つければ、刀を心臓目がけて振り下ろすこともあるような国々」のことだと指摘、こうした国々に該当するのがヨーロッパ諸国であるとした上で、次のように強調した。
もちろん、アメリカはヨーロッパに対して、営利目的で穏やかに接する一方、ヨーロッパの市民や当局者の私生活をスパイし、そのことで謝ろうともしない。
同師はさらに、「もちろんヨーロッパ諸国は、アメリカの利益に奉仕することで、大いなる戦略的誤りを犯してきた。それは彼らの国益にも反するものだ」と付け加えた。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は第3のグループとして「アメリカの圧迫に屈しない」国々を挙げ、「こうした国々に対するアメリカの政策は、ダメージを与えて、彼らを打ち倒すために、あらゆる可能な手段を何の制約もなく用いる、というものである」と指摘した。
革命最高指導者はワシントンに貢ぎ物を献上しようとしない国々へのアメリカの対応方法について説明する中で、「もちろん、イラクやアフガニスタンへの攻撃に起因する損害が原因で、今や軍事攻撃はアメリカの計画の中で優先されてはいない」と述べた。
同師は「言うことを聞こうとしない抵抗的な」国々に対するアメリカの戦略の中でもっとも重要なものの一つとして、こうした国々にいる対米従属分子の活用を挙げ、「クーデターをしつらえ、あるいは人々を街頭デモへと引き込むことが、従属分子を利用する際にアメリカが用いる、もっとも重要な手法のひとつである」と指摘した。
革命最高指導者はさらに、次のように続けた。
国民の票で生まれたどの国のどの政権にも、その政権に票を投じなかった少数派がおり、彼らはその政権に異を唱えるものだ。アメリカはこの問題を利用する。彼らは反対派の主要構成員を煽ることで、一部の国民を街頭デモへと引き込むのである。
同師はさらに、
こうしたやり口の一例が、今日ヨーロッパの一部ではっきり目にすることができる。とはいえ、われわれはこのことについて、判断は下さない。しかし反対派の街頭デモで、アメリカのシナリオは実際にどのように働いているのだろうか。
※訳注:ここでハーメネイー師が言及している「ヨーロッパの一部」が具体的に何を想定しているのかは不明だが、ヤヌコビッチ大統領(当時)を政権の座から引きずり下ろした、ウクライナでの抗議運動のことを指している可能性がある。
つづきはこちら
関連記事(ハーメネイー最高指導者「タクフィール派はイスラーム世界にとって大いなる脅威」)
( 翻訳者:野幌森林公園の自然を守る会 )
( 記事ID:34280 )