■モロッコ:カサブランカ、経済と観光の中心へ
【ラバト:本紙】
モロッコ経済の中心地であるカサブランカが、投資・構造化プロジェクトへの着手にとりかかっている。総額約1,000億ディルハム(120億ドル)に上るそのプロジェクトによって、同市は北西アフリカと地中海南岸における経済、観光、金融の最大の中心地へと変わることを目指している。
複数の関係者によると、毎日、約500万の人口の半分に上る数の人々が訪れるカサブランカは、迅速な計画を立てることを目指している。まず交通需要の増加に対処するために、15kmのトラム新路線を敷き、高速列車(TGV)用に現在より大きな駅を建設する。また、バスやさまざまな交通機関の車両を一新し、インフラを発達させる。そのプロジェクトにはムハンマド5世国際空港のスペース拡張も含まれる。同空港は、地域最大の空港であり、ヨーロッパ・アフリカ間をむすぶ便を毎日確保しており、マグリブ・アフリカ地域を北アメリカ大陸や近東、極東、地中海とつなげている。
同プロジェクトの担当者は、このプロジェクトにより、モロッコを経由して周辺国へ向かう年間の乗継客数が、今後2,000万人になると予測した。また空港周辺では、団体客や国内外の他の空港への乗継客を迎えるために、ホテルや案内所が建設される。
先の関係者によると、カサブランカでは近年、経済、都市開発、観光、文化の復興が起こっている。その中には、ハッサン2世モスク近くの湾岸道路沿いの高層ビルの建設、周囲に海外ブランドのレストランやショップを擁し、大西洋を臨む大型ショッピングモール「マリーナ」の建設完了が含まれる。さらに、総費用15億ディルハム(約2億ドル)の新しい劇場の建設も予定されている。これは、19世紀末にヨーロッパ人によって建てられたカサブランカの文化と娯楽の役割を復活させるためのものである。その他、公表されたプロジェクトには、総費用150億ディルハムを超す観光リゾートや文化センター、またその他のスポーツ施設が含まれる。
このプロジェクトの背景には、ムハンマド6世国王の個人的な監督があるようだ。国王はカサブランカが、ヨーロッパやその他の国の大都市と並ぶこと、特に経済と観光と金融が集まる都市になって、国内の金融活動の半分と工業総生産の約40%を管理することを望んでいる。その役割は、国際商業銀行や保険会社、証券会社の数十の支店や証券取引サービスを含む国際金融センター、「カサブランカ・ファイナンス・センター」の活動展開によって強まるだろう。
(後略)
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:34299 )