10万トマーンの「イラン・チェック」復活へ(下)
2014年06月09日付 Iran 紙
10万トマーン(100万リヤール)のイラン・チェック(チェックプール)
10万トマーン(100万リヤール)のイラン・チェック(チェックプール)

 第一副大統領は、本年度の政府の政策の一つとして、石油以外の産品の輸出振興を挙げ、「政府がとりまとめた施策により、今年の証券市場で活動する企業の生産・輸出は拡大することになるだろう」と述べた。

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凍結されたイランの資産、6回目の送金が実施へ

 他方、この開会式でヴァリーオッラー・セイフ中央銀行総裁は、〔制裁によって〕凍結された資産の分割送金の第6回目が実施間近であると述べ、また10万トマーン〔約3千円〕の「チェックプール」〔※〕の市場への供給が今日、明日にも行われる見込みであることを明らかにした。

※訳注:「チェックプール」は高額紙幣の代わりとなる小切手の一種。現在イランで流通しているもっとも高額な紙幣は10万リヤール(1万トマーン)札〔約300円〕だが、インフレの進行によってこうした高額紙幣も不便なものになっていると思われる。

 同総裁はまた、凍結された資産〔のイランへの送金〕で得られた資金は、いかなる商品の購入に使われるのかについて、「この資金〔の使い道〕はまったく自由であり、市場の意思にしたがって、買い入れを行うことができる。もちろん、国が抱える基本的な需要も、この資産の使い道では考慮の対象となるだろう」と述べた。

 中央銀行総裁は制裁の対象となっていない、国の必要とする商品の購入を、凍結解除された資金で行うことが可能だと指摘した上で、「この資産の一部はまた、市場が必要とする〔外国〕紙幣の輸入〔※〕にも用いられるだろう」と語った。

※訳注:1983年までは、イランの紙幣は主にイギリスで印刷されていたが、それ以降はイラン国内で印刷されるようになっている。また2002年以降は、紙幣印刷のための紙もイラン製とされているので、「紙幣の輸入」とは「外国紙幣」のことを指しているものと思われる。

 中央銀行総裁はまた、10万トマーンのチェックプールの市場投入が本日から始まる見込みであることを明らかにし、さらに「ジュネーブ交渉を受けて凍結解除された資金の送金の第6回目、5億ドル分が、近々行われる予定だ」と述べた。

 中央銀行総裁はまた、補助金改革の影響について、「オルディーベヘシュト月〔西暦4/5月〕のインフレ数値〔※30.3%〕が示しているのは、補助金改革の影響はコントロールされており、インフレへの影響は部分的だ、ということである。格段の影響をイラン経済に与えるとは思われない」と語った。

 同氏はその上で、「この間の生産者物価指数は上昇傾向にはなく、インフレ率を押し上げることはないものと予想されている」と指摘した。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:34340 )