内相、ダーイシュに警告「イラン国境に近づけば殲滅」
2014年06月15日付 Jam-e Jam 紙
イラクでのダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)によるテロ活動が続くなか、内相はテロリストらに対して、「もしイラン国境地帯に近づけば、殲滅する」と警告した。
メフル通信の報道によると、アブドッレザー・ラフマーニー=ファズリー内相は昨日、北ホラーサーン行政評議会の会議の場で、イラクで起きている最近の出来事やテロ組織ダーイシュの同国での犯罪行為に触れ、次のように言明した。
われわれはイラクの政府と国民に対し、テロリストへの対応で支援を行うつもりだ。もちろん、この支援というのは軍隊の派遣という形によるものではない。そうではなく、われわれはダーイシュと相対しているイラク人兵士らに対し、アドバイスや指導を行ったり、国際的な場で彼らの権利を擁護したり、テロリストらに対して国境を封鎖したり、といったことをするつもりである。
こうした中、一部の西洋筋はイラク政府への支援で、イランが重要な役割を果たすだろうと指摘している。ニューヨーク・タイムズはこのことについて、革命防衛隊の
ゴドゥス部隊司令官が先週、民兵らへの対抗策について、同国の指導部にアドバイスを与えるために、12名の将校らとともにイラクを訪問したと報じている。
■ イランは外国のイラクへの介入に反対
このことに関連して、イラン外務省報道官は、外国のイラクへの軍事介入には、いかなるものであれ反対するとのイラン・イスラーム共和国の姿勢を強調した。
マルズィーイェ・アフハム報道官は、「イラクには軍事的に必要とされる能力も備えもあるし、同国の国民にはテロ分子や過激分子に対抗するだけの力ややる気もある」と付け加えた。
同氏はイランから軍部隊がイラクに向けて派遣されたとの報道が出ていることについて、記者の質問に答える中で、この報道を否定した上で、「イラク情勢を複雑化させるような動きは、イラクや地域にとって良いものとは言えない〔‥‥〕」と語った。
■ ダーイシュの流入阻止に向けて、国境の管理を強化
国境警察司令官も、ダーイシュのメンバーが国内に流入するのを阻止するために、国境の管理を厳しくしたところだと述べた上で、「イラク情勢の不安定化に起因して発生するイラク人避難民の一部が、イランにくる可能性がある」と述べた。
ホセイン・ゾルファガーリー司令官は上海協力機構の地域反テロリズム局の局長との会談のなかで、イラクにおけるテロ組織ダーイシュの最近の動きを踏まえてイラン西部国境地帯で治安措置が取られたことについて、「これに関し、州治安評議会の招集など、必要とされる治安措置が取られた。というのも、この組織の最近の行動は、〔予期せぬ〕さまざまな結果をもたらす可能性があるからだ」と語った。
また、革命防衛隊総司令官代理のホセイン・サラーミー司令官も、革命防衛隊マーザンダラーン州カルバラー部隊司令官の離任・着任式で、「シリア国民の難民化はアメリカとその同盟国の行為の結果であり、イラクの不安定化も、彼らが地域に蒔いてきた陰謀の種子の結果である」と述べた。
同氏はその上で、「イスラームの地における敵の陰謀は、無力化している。しかしそれがイスラーム教徒にもたらした災いと苦労は、残存したままだ」と指摘した。
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本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:34372 )