イラク:南部油田に不安なし
2014年06月19日付 al-Hayat 紙


■イラク:南部油田に不安なし

【パリ:ランダ・タキーッディーン】

世界の石油産業関係者は、イラクの石油生産量が2019年までに約128万バレル/日へと増加するという「国際エネルギー機関(IEA)」の予測を楽観的だと評した。同関係者が本紙に述べたところでは、近頃同機関はイラクの石油生産が200万バレルに増加すると予測し、後に下方修正したが、いまだに大げさな数値である。イラクで働く別の関係者は、イラクの現在の石油生産量は最大でも400万バレル/日であり,(今後も)それを上回ることはないだろうと見なした。その理由は、契約は予定通り進まず、油田での揚水はなく、治安状況は十分ではなく、行政も停止しているからだという。またクルディスタン地域での「エクソン」の事業とそこでの掘削へのトルコ企業の進出については、2つの油井がこれまでに掘削されているが、石油の輸出・販売のためにはさらに数年間を必要とする。これは同じくクルディスタンで掘削をしている「トタル」のような企業にも言えることである。

同関係者は、もし状況が良ければ、クルディスタンで生産可能な100万バレル/日を国全体の17%と換算して、イラクでの石油生産能力が600~700万バレル/日に達すると見なした。同関係者によると、この17%は石油収入を中央政府との同地域で分配する境となる数値であるが、この分配についてはまだ意見が対立している。また同関係者が強調したところによるとは、石油生産で重要なイラク南部は現下の戦闘の影響を受けておらず、イラク軍は南部油田を防衛する措置を講じている。そして、イラクが現在の生産量を超えたことは上記の情勢とは無関係で、「エクソン」との揚水廃止のプロジェクトによるものである。

またイラク国営「南部石油会社」のディヤー・ジャアファル社長は、「エクソン・モービル」が従業員の大規模退避を実行し、「BP」は労働者の20%の退避を見合わせたと述べた。また同社長は「Eni」「シュルンベルジェ」「ウェザーフォード」「ベーカー・ヒューズ」の各社が、武装集団の急速な伸長の後もイラクから従業員を退避させる予定を立てていないと述べた。

ジャアファル社長はロイター通信に対して「従業員の撤退や従業員数の削減はイラク側を満足させるメッセージとはならず、石油会社の従業員は油田に常駐しなければならない」と述べた。そして石油会社に対して、今月の輸出目標水準が270万バレル/日であることを指摘し、現下の情勢は後にも先にも南部での活動に影響を与えることはないと改めて保証した。

(後略)

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( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:34373 )