ISISがシリアやイラクのようにトルコも「ジハードの範囲」であると宣言したことが明らかになった。
モースルにあるトルコ総領事館にいた職員を人質にしたISISは、シリアとイラクのようにトルコもジハードの範囲であると宣言したことが明らかになった。ISISのトルコ担当幹部は、シリアでの内戦を終わらせた後、イスタンブルをはじめとしてトルコで大きな行動を起こす用意があることを明らかにした。その上、一部のISIS幹部の、「できればイスタンブルも占領しよう」という言葉が盗聴捜査において明らかになった。
タラフ紙の報道によると、トルコで二年近くジハードのために戦闘員を集めていたISISが、トルコに関する行動計画も立てていることが明らかになった。この問題における情報と文書が、一月の間にISISのトルコにおける関連組織に関して行われた捜査で押収された。ヴァンを中心に準備され、イスタンブル、アダナ、ガズィナンテプ、キリス、カイセリへ広がった捜査で数十人のISISのメンバーが身柄を拘束された。捜査対象には、トルコ最大のISIS組織のリーダーであったハリス・バヤンジュクも含まれていた。
■難民キャンプで撮影された写真も発見
捜査では、バヤンジュクがシリア人難民キャンプで撮影した数枚の写真も押収された。押収された写真の中には、トルコからISISに加わったメンバーへ課された訓練の様子が撮影されたものもあった。組織のメンバーに対して行われた演説も録音されたことが明らかになった。録音の分析により、バヤンジュクが、トルコもシリアのようにジハードの範囲であると宣言されたことについて、言及していたことがわかった。録音CDのバヤンジュクによる「シリアの征服の後は、トルコの番だ。できればイスタンブルも占領しよう」という発言が注意を引いた。
やはり捜査で手に入れた情報と文書から、ISISの戦闘方法に関するいくつかの手がかりも得られた。これによると、ISISは前もって無政府状態の国々を特定している。そして、この国々に関して、ジハードの決定が下される。ジハードの決定が下された国々へは武装部隊が派遣される。
ISISのメンバーは、特定の人物の下で活動する組織のもとに居住する。そして、その家々を拠点に、数日から数週間にわたるテロ活動を行う。活動中に死亡した者は「殉教者」として認められる。そして死は、組織の全てのメンバーが到達したいと願う最後の地点として見なされている。録音された音源では、組織が今日までアフガニスタン、パキスタン、イラク、シリア、ソマリア、イエメン、そしてスーダンをジハード地域と宣言したことが確認された。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:34376 )