キルクークに住むトルクメンの指導者の一人であるニザーム・イッゼッティン氏は、トルクメン地区の最新の状況を説明してくれた。モースル・キルクーク間にあるトルクメン系の村がISISの手に落ち、多くの村が戦火の中にある。

イラクのイスラム主義テロ組織イラクとシャームのイスラム国（ISIS）がモースルを手に入れた後、この町の周辺のトルクメンが多く住む地区では衝突が続いている。キルクークに住むイラク・トルクメン友好文化協会会長であるニザーム・イッゼッティン氏は、トルクメンが多く住む街や村での最新状況をミッリイェト紙に教えてくれた。

■ベシルで20人死亡

イッゼッティン氏がこの地区の政治家や市民団体のメンバーと会って、収集したメモは以下の通りである。
・モースルでの出来事はトルクメン系住民の住む地区に大きな影響を与えている。モースルの次はテラフェルである。イラクで最も多くシーア派の人々が避難している郡であるテラフェルは2日にわたって包囲されている特に東部及び北部から行われた攻撃の結果、この地に住むトルクメンたちは移住を余儀無くされた。スンニ派の人たちはモースルとその周辺へ避難した一方で、シーア派の人たちはシンジャールへ避難した。およそ15万人の人々が避難する状況の中で、衝突がいまだ続いている。
・モースルでの出来事はすぐさまキルクークへも飛び火した。モースル・キルクーク間にある郡と村は徐々にISISによって陥落した。ハヴィジェ、リヤズ、サシャドは順にISISの手に渡った。キルクークの西および南に位置するトルクメンの郡や村はすべて戦火の真っ只中にある。特にシーア派の人々が多く住む郡と村の危険性は非常に高い。
・キルクーク周辺の郡と村の状況は以下の通りである。
トゥズフルマトゥの近くにあるベシル村は現在ISISの攻撃のターゲットとなっている。非常に多くの人々が村や郡の中心部へ移動してきている。大きな衝突が続いている。
―トゥズフルマトゥからキルクークへ多くの人が逃げて来ている。さらにトゥズフルマトゥ周辺のダクーク、レリラン、ヤィチ村と、テュルカラン、チャルバクル、コムベットリ村では恐ろしいことが起こるのではと恐怖にさらされている…。
―トゥズフルマトゥの中でシーア派人口の多いアミルリ郡にて大きな爆発が起こった。人々は夜、手に兵器をもって自衛している。
―アミルリ郡のビラブジュル村で激しい衝突が起きている。昨日の衝突では最低でも20人は死亡したとの情報が入っている。シーア派の人口の多いバスタムル村、アブドとピール・アフメトがISISの手に落ちた…。
―ゼンギ、カラナズ、チャルダクル、ベグ・エルブルサン、キュチュクエルブルサン、デレオバス、サイヤド、イッリオザト、スイリプ、フズル・オバス村は政府により統制が取られている。
―ディヤラ州にあるジェレブラの町はペシュメルゲ(クルド民兵)とISISに支配されている。
―5万人のシーア派トルクメンが住むサディイェはISISが支配している。
―シーア派のトルクメンたちが暮らすカラテペはペシュメルゲの支配下にある。
―スンナ派トルクメンたちの居住するメンスリイェトゥル・ジェベル、ミカダディイェ、カザニイェ、デッリ・アッバスとメンデリは政府の支配下にある。
―スレイマンベグ郡は、モースルの次に陥落した最初の土地となった。ISISの民兵がここに検問所を設置したことで、バグダッドとモースルをつなぐ道路は断たれた。

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（ 翻訳者:四村美里 ）
（ 記事ID:34377 )