マレーシアで非ムスリムが「アッラー」という単語を使用することが「混乱をまねくもの」という理由で最高裁により禁止された。
マレーシア連邦裁判所は非ムスリムが「アッラー」の単語を使用することに対して、以前に下された決定を承認した。決定に伴いマレーシアのキリスト教徒が「アッラー」の単語を使用することが最高裁によって有罪となることが承認された。
2007年に、同国のキリスト教徒によって発行された『ヘラルド』紙が「アッラー」の単語を使用しないように決定が下されており、2009年10月に上告裁判所で決定が承認されていた。
マレーシアのキリスト教徒たちはアラビア語からマレー語に流入した「アッラー」の単語は、単にイスラムだけのものではないとし、この単語を礼拝に用いる権利があると主張している。
ムスリムたちは「アッラー」の単語がキリスト教徒によって使用されることは、国の60%を構成するムスリムにとって混乱を招くものであり改宗への道を開きかねないとしている。
キリスト教徒たちは、この単語を長年にわたり自身の創造主を表現するために用いていたとしている。「アッラー」という単語は実際アラビア語起源であると述べるキリスト教徒は、実際この決定は彼らの権利の侵害に当たると主張している。
BBCに話してくれたキリスト教徒のマレーシア人であるエステル・モイジさんは、「今回の出来事は私たち信徒集団に大きな影響をもたらすことになります。もしアッラーの単語の使用が禁止されれば、すべての聖書をもう一度翻訳する必要が生じます」と話した。
約9%の人口がキリスト教徒であるマレーシアでは、ヒンドゥー教と仏教を信仰する人々も暮らしている。
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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
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