一日に2000万リットルの燃料が密輸:国が消費する量の1割以上に相当(下)
2014年06月15日付 Jam-e Jam 紙
同氏はさらに、次のように指摘した。
今日、密輸が行われている世界の国々は、密輸元の国であるか、密輸先の国であるか、そのいずれかであることが多い。ところがイランは現在、密輸元であると同時に、密輸先ともなっている。このことが大変な損失をイランにもたらしているのである。
〔‥‥〕
同氏は、次のように付け加えた。
密輸問題は、一人の「クーレ・バル」〔※品物を背中に担いで国境を往復し、売買を行う人のこと〕による商品の国内への持ち込みが問題なのではない。むしろ、さまざまな商品に隠れる形で、大量に持ち込まれたり、海上や陸上の国境を通って燃料が大量に持ち出されたり、といったことが問題なのである。
同氏は密輸が行われている状態では、経済発展は望めないと指摘した上で、「密輸が行われていては、《抵抗経済》で期待されるような成果をあげることはできない。つまるところ、密輸問題の解決に注力することが、国にとって必要なのである」と述べた。
同氏は、「関係書類」、「手数料」、そして「輸入された商品が税関から輸入業者に引き渡されるまでの期間」の三つが商品の輸入には決定的に重要な意味を持っているとした上で、「我が国は提出書類が最も多く、手数料が最も高く、商品が税関から引き渡されるまでの期間が最も長い国の一つである。世界185ヵ国中、我が国は153位に位置しており、こうしたことが、密輸が利益の上がる商売となる原因となっているのだ」と指摘した。
同氏はさらに、「ビジネスマンらは正規のルートを通じては、官僚制の存在によって、年間にたった2度しか商品を輸入することができない。その一方で、非正規の違法ルートを使えば、年に4回は輸入が可能なのだ」と語った。
同氏はまた、「大物」密輸業者が一部の「クーレ・バル」を雇って、彼らを悪用していると指摘し、
大物密輸業者が計画的に、商品を国境の向こう側で集め、「クーレ・バル」たちを使って、国境のこちら側に商品を運び入れ、〔再び〕一ヵ所に集めるといったケースを、われわれは多く目にしてきた。こうした場合、輸入された商品は少量だなどと考えて、対策を打ち出さないといったことは、もはや不可能である。
と述べた。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:34437 )