ブラジルで行われているワールドカップの日程がラマダーン月に重なったことで、サッカー選手たちの断食問題が再び話題になっている。
W杯ではイランやアルジェリアといった国々のナショナルチームに加え、フランス、ドイツ、スイス、ベルギーなどの参加国の中にもムスリムの選手を抱えるチームがある。こうした選手たちがラマダーン月の間どのようにして過ごすのか、気になるところだ。というのも、濃密なスケジュールをこなす選手たちの断食について、専門家たちの意見がバラバラだからだ。
■FIFAとしてはOK
国際サッカー連盟(FIFA)の最高医療責任者を務めるジリ・ドボラク氏は、一昨日に開かれた記者会見で「断食は選手たちの健康状態に悪影響しない」との見解を示し、「私たちは長年にわたって包括的な調査をしてきましたが、選手たちのパフォーマンスが低下したことは全くありません」と述べた。
一方で英国スポーツ協会のエマ・ガードナー氏は、断食はプロの選手に対して深刻な影響を及ぼすとロイター通信に語った。ガードナー氏は「最も重要なのは体液と体力を一定のレベルに保つこと」だと語る。また同氏は、断食をすることは筋肉量を低下させる原因にもなると述べている。
■エジルは断食せず
ドイツチームのスター選手、トルコ系のメスト・エジル選手は会見で「働いているため」断食はしないことを明らかにした。断食をする選手たちには、早朝もしくは夜遅くに練習を行うこと、またイフタールの時間に近い時に試合に出ることが奨励されている。以前に行われたやり方としては、口に水を含み、飲み込まずに吐き出すことで水分の必要性を補うことができると言われている。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:34478 )