ワールドカップの水面下で動く外交(下)
2014年06月23日付 Iran 紙


 〔イラン対アルゼンチンの〕試合を裁いたセルビア人審判に対して、イラン人ユーザーたちが「ツイッター上の戦い」を繰り広げる中、我が国の政府関係者らも積極的に、ソーシャル・ネットワークを通じてイラン代表チームのメンバーたちにお祝いの言葉を贈った。例えば、ネット上での活動に意欲的な閣僚として知られるモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は、試合終了から数分後には、自身のフェイスブックを通じてサッカー選手たちに、次のようなメッセージを出している。「今夜〔イランの〕若者たちはブラジルで、物すごいことをしてくれた。私たちを誇り高い気分にさせてくれた彼らに拍手」。

 エスハーグ・ジャハーンギーリー第一副大統領もフェイスブック上にある自身のページに、こう書きこんでいる。

正々堂々たるサッカー、疲れを知らない〔ピッチ上での勝利に向けた〕努力、アルゼンチンという名門チームに対抗した親愛なるサッカーの子ら〔=イラン人サッカー選手〕が示した称賛に値する自信に満ちた態度、これらはどれも、試合の結果とは別に、イラン人全員の誇りの源である。

 〔アメリカ国務省からイスラエル政府報道官、テロ組織「ダーイシュ」、そしてイラン政府関係者などによる、イラン・サッカーをめぐる〕こうした発言の良し悪しに関する判断とは別に、次の3つのことが〔イラン・〕ウォッチャーの関心を惹いている。

 こうした〔SNS上での政治・軍事関係者の〕発言が伝える最も表面的なメッセージとは、「政治とスポーツの関係」に関するものであり、それは〔政治とスポーツの間の〕「成文化されざるつながり」や両者の間で絡み合った「相互影響関係」に関する過去の議論を思い出させるものだ。

 2点目は、「仮想ネットワークが果たしている特別な役割」に関してである。今やダーイシュのようなテロ組織も、トップクラスの地位にある外交官たちも、そして一般のユーザーたちも、それ〔=ネット〕を通信の手段として活用しているのである。

 しかし、〔3点目として〕今回の出来事をめぐってあまり知られていない点がある。それについて、ガーディアン紙は先週、指摘を行っている。イギリスの日刊紙である同紙は、最近の記事の中で、イランのハサン・ロウハーニー大統領がサッカーのイラン・ナイジェリア戦を鑑賞している写真が、〔ツイッター上で〕公開されたことに触れ、その分析の中で、大統領のこうした行動を「サッカー外交」の一例だと指摘したのである。

 同紙が言及しているのは、イラン・ナイジェリア戦後、大統領の〔公式の〕ツイッターアカウントで公表された写真についである。そこでは、普段の服装とは異なった装いの大統領、イラン・サッカーチームのTシャツとズボンを身に着けた大統領の姿が写されていた。

 ガーディアンはこの写真を分析する中で、テーブルの上に置かれてあった食べ物にまで注意を向けている。

 この写真はネット上で大きな反響を呼び、先週〔ロレスターン州を訪問した〕ロウハーニー大統領歓迎セレモニーで、ロレスターン州の市民がスポーツウェアを着た大統領の写真が写ったポスターを手にもっていたほどだった。

〔‥‥〕

 〔イランのイメージアップを図る〕こうした「サッカー外交」は、イランの外交官らが最も困難な交渉の一つ〔※イランと5+1の核交渉のこと〕に携わっている状況下で、どのようなメッセージを〔世界に〕伝えるだろうか。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:8411151 )
( 記事ID:34530 )