トルコは、ここ53年間で最も干ばつの被害が大きい夏を迎えている。トルコの今年度の干ばつに関する公式な発表が間接的に外務省を通じて行われた。
トルコ国境を越えてシリアやイラクにまたがり、何年もの間諸問題の要因となっている2つの河川がチグリス川とユーフラテス川だ。ここ最近、一部報道ではトルコがチグリス川の水が部分的に止め、水量が減少したとされた。外務省がこの報道に関する会見を行った。この報道により、間接的にトルコが今年経験している干ばつについて公式な情報が世論に伝わることになった。外務省による会見は以下の通り:
■危機的状況にあってもチグリス川の水を止めなかった
「以前多くの理由が語られたように、トルコはかつて政治的な、或いは他の目的を追求して、国境を超える流れる川の水の量を減らすようなことはしなかった。現在の状況は、この地域で生じている危機と不安定さに起因している。トルコは全力で、水問題に関して人道的観点から解決に踏み出している。トルコ国民の、そして近隣諸国の国民の水の必要性を非常に重要視している。
■ここ53年で最悪
他方、近年この地域で深刻な干ばつが生じている。これは気候変動が大きな要因となっている。今年に関しても、1961年以降記録された中で最悪の干ばつを記録した。トルコは、干ばつ問題を抱えているにも関わらず、この12か月でダムに流れ込む自然水の総量が平均して297 ㎥/秒である中、ユーフラテス川を通じて同時期のシリアやイラクに平均して599 ㎥/秒の水を流した。
トルコは今後も必要な水量を流すことを目指すとともに、気候条件や干ばつに関連して、放水する水量が時によっては減少し得ることも念頭に置き、またこれに対して必要な予防策を講じておかなければならない。
一方で、シリアやイラクで生じていると言われる水不足が、当該二国で限られた水資源を浪費していることと、加えて相対する勢力が水源を支配し、水を自分たち自身の目的に応じて利用するための争いを行ったことから、発生したということを忘れてはならない。
トルコは、国境にまたがるこれら水源を公平、合理的、そして最適な形で利用すること、また各国全体が歩み寄る形で治めることに関し、近隣諸国と協働を進めていく用意を常に整えている。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:34581 )