モースルでその支配を強めるISISは、全キリスト教徒へ「街を去れ」という通達を行い、キリスト教徒たちの家や仕事場には「イスラム政府の所有物である」と書かれた札が掛けられた。
市にあるシリア・カトリック司教座はISISによって火を放たれた。モースルで歴史的・宗教的な場所を破壊したISISが、キリスト教徒達に改宗を強要し、それを受け入れない者達は市を去るよう強制したことが明らかになった。バスニュース通信によれば、キリスト教徒達を殺害、もしくはイスラム教への改宗を強制し脅迫してきたISISが、モースルのキリスト教徒達に与えた猶予期間が19日の昨日、終了した。
■「イスラム政府の所有物である」
市から出ていかない者達の腕は胴体から離れることになるとの布告がなされた。これを受けて市にいる何千人ものキリスト教徒達は、集団で逃亡し始めた。彼らのうち大部分がクルド人地域へと避難した。ISISが市のキリスト教徒達の家や仕事場の扉や壁に「イスラム政府の所有物である」という札を掛けたことが明らかになった。
カルデア・カトリック教会のルイス・サコ司教は、この状況を憂慮すべきものだとし、「キリスト教徒の同胞達はクルディスタン地域の街、ドフクやアルビルへ向かっている。歴史上初めて、モースルにキリスト教徒が不在となった」と述べた。
■非ムスリムが殺されている
2003年以前、イラクには180万人以上のキリスト教徒が住んでいた。その数は、アメリカ軍による占領、宗派間で次第に高まる緊張、そして原理主義の強大化のために、2008年には6万人にまで減少した。
この間、ISISは、過去の失脚した指導者、サダム・フセインの別荘を拷問場所として使用していたとされる。ISISは人質にとったアレヴィー、シャバク、ヤズィーディーのクルド人達に拷問を行い、イスラム教への改宗を受け入れない人々を殺害したと主張されている。
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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:34765 )