干ばつによってダムの水が尽きたイスタンブルで、洪水による試練が続いている。先月ウスキュダルで海と陸の境がわからなくなるほどの洪水と同様の現象が今月19日に発生した。突如発生した強雨(に見舞われた)海岸沿いや、主要道路と地下道が湖と化した。インフラが十分でない状況から、多くの家屋や職場が浸水した。
イスタンブルは週末、強雨に見舞われた。朝9時ごろに始まった雨は、町全体でインフラが不十分であることを露呈させた。いくつかの区や地域は湖のような状態になった。ウスキュダル、バージュラル、バイラムパシャ、ベシクタシュ、キャーウトハーネ、カヤシェヒル、オクメイダヌとファーティフで多くの 家屋と職場が浸水した。地下道では自動車が取り残され消防が救助に向かった。
強雨はまずキュチュクチェクメジェ、イキテッリ、バージュラル、ギュンギョレン、ハリチで猛威をふるった。急速に動いた雲は、短時間アジア側のウスキュダルとウムラニイェに雨を降らせた。1時間に20~70kg/平方メートルの雨が降った。市民は強雨に備えなしに見舞われ、朝は出勤した人々がバス停に避難した。町のインフラが不十分であったため道路や地下道が浸水し、自動車は道に立ち往生した。イスタンブル広域市は1時間で420件の水の排出要請があったことを発表した。電動ポンプ55台と、バキュームカー28台、水路開削用車15台、人員200人により水の排出作業が行われた。広域市はイスタンブルのダムの全流域に大量の雨が降ったことを明らかにした。
バシャクシェヒルで車内に取り残された若い女性を周辺にいた人々が救った。オリンピックスタジアムの前では運転手たちが自動車から降りて救助を待った。湖と化した大通りでは車両交通は妨げられ、市民は歩かざるを得えなくなった。カヤシェヒルの16区では滝の(ような)光景が発生し、洪水で道に土砂が堆積した。通行人のナディル・ボスタンジュさんは「2時間半にわたってここに居ます。前には巨大な水たまりがあって動くことが出来ませんでした。行こうとした 車は水に沈んでしまいました。自治体は、店は作ってもインフラを整備しませんでした」と話した。3週間前、カヤシェヒルの16区で同じことがあったと話すムスタファ・ジャントゥルクさんは「まだ対策を講じていなかった。バシャクシェヒル区は全く何もしていなかった。数時間もここで何もできずに待っています」と話した。
バージュラルのケマルパシャ街区のアジム通りの前にある6つのアパートの地階は浸水し、戦争から逃れてきた7人の子供をもつシリア人家族の家財は使用できない状態になってしまった。ファーティフのウンカパヌ橋の下にある職場で働いていた市民も洪水で取り残された。橋の下を通ろうとしていた一台の車両は長時間救助を待った。
■ウスキュダルの岸で見慣れた光景
強雨により、ウスキュダルで見たような光景を再び目撃できた。洪水の水は海岸通りを飲み込み、陸と海の境目がわからなくなった。車両は前進が困難になり、歩行者は川と化した道で向かい側へ渡ることはが困難となった。数台の車両が海岸通りで高水により故障した。動けなくなった車両の運転手たちは車内で待たざるをえなくなった。約1時間にわたった強雨が止んだ後、あたりは正常に戻った。先月、やはりウスキュダルの海岸通りが浸水することがあった。
■通りは戦場と化した
ベシクタシュのフリャで洪水が引くとともに通りに現れた光景を見て人々は唖然とした。高い場所から来た洪水の水が歩道の石や砂利石を、フリャの最も混雑する通りの一つであるハック・イェテン通りにまで運んでいた。道路上の石に運転手は苦労した。住民のアリ・アイさんは通りの水位が70cmにまで上がったと話した。ドラプデレでも洪水がアスファルトを押し流し、車両は発生した穴によってトラブルに陥った。ピヤレパシャ大通りではなだれ込んだ雨水が滝のような光景を生み出した。
■乗客12人、ミニバスで救助待つ
シシュリ-ピヤレパシャ大通り間でマンホールから水が溢れだした道路で都市間輸送を行うある会社のミニバスが故障した。12人の乗客とともに車内に取り残された運転手のムスタファ・バシュダーさんは、バスはすぐに停車し、消防、災害時調整センター(AKOM)、警察に通報したにもかかわらず2時間誰も来なかったと話した。ミニバスが水の中にとり残されたのを見た数人の運転手たちはエンジンをきり、水がはけるのを待ち、また一方数人の運転手たちは通行を試みた。混雑したため2時間後に事故現場に到達した消防チームは、ミニバスに接近して通行人を救助した。
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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:34769 )