ピスタチオの殻がダイヤモンドに!
2014年07月22日付 Jam-e Jam 紙
収穫前のピスタチオ(ISNAより)
収穫前のピスタチオ(ISNAより)

毎年、ケルマーンでは何千トンものピスタチオの殻が積み上げられる。そして、それらに火をかけ、すべて燃やしてしまう。このことは、同州での最も重要な環境問題となっている。

専門家の調査によると、ピスタチオ農園から出されるこのお荷物を《純粋な炭素》(※訳注:ペルシア語では、ダイヤモンドを指す)に変えることで、国内産業のダイヤモンド需要を10%削減することが出来るという。

[ケルマーン州]ラフサンジャーン県商工会議所所長は、この問題について、メフル通信にこう述べた。

ピスタチオの殻の有効利用とその経済的な利点は、生産者らに見落とされてきた。この副産物により注目すれば、ピスタチオの採算性を上げることが可能である。なぜなら、12キログラムのピスタチオの殻は、1キロの炭素を生み出すからだ。

モハンマド=アリー・ミルザーイーヤーン同所長は以下のように続けた。

いくつかの国では[合成]ダイヤモンドの製造を高収益な産業の一つとしてみなしている。炭素をなんとアーモンドの殻やナツメヤシやココ椰子の種から生産しており、ラフサンジャーンやケルマーン州でのピスタチオ生産量の大きさに注目すれば、こうした可能性を利用することが出来る。そして、この農業副産物を活用することで、イランはダイヤモンド生産国に転じることが出来るのである。

また、同所長は以下のように述べた。

残念なことに、ピスタチオの殻は、国内の多くの畑で廃棄物と化している。廃棄する以外に使い途がないのである。しかし、それらをダイヤモンドに変え、国にとって多大な外貨を節約することができる。

農業経済の専門家モハンマド・サラーヒー氏は、以下のように述べた。

農業の上流部門と下流部門への投資は必要であり、それは、ケルマーンのような州でも感じられる。

しかし、サラーヒー氏は、こうも付け加えた。
ケルマーン州には農業の川上産業の工場が無いがために、いくつかの地域では、生産物が驚くべき形で無駄に廃棄され、あるいは、その残りが、極端に安値で売却される。こうした事例は、ケルマーン州南部でも見受けられる 。しかし、ピスタチオやナツメヤシのような作物に関しては、 ケルマーンにおいて生産連鎖を作り上げることができるのだ。

また、同氏は以下のように述べた。

ケルマーンのナツメヤシは、輸出と生産の高いポテンシャルを秘めている。しかし、実際には、このポテンシャルに目が向けられてこなかった。こうしたポテンシャル活用の事例が、ラフサンジャーンでのピスタチオの殻から炭素を生産する工場の設立である。株主利益を生み出すと同時に、産業の釜の触媒燃料[※訳注:すなわち国家産業を活性化させるもの]と見なされるダイヤモンドへの、国全体の需要の相当量を供給できるだろう。




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:34852 )