■モロッコ:半年間で対外貿易は370億ドル
【ラバト:ムハンマド・シャルキー】
今年上半期にモロッコの対外貿易は、昨年同期の2880億ディルハムから3040億ディルハム(約370億ドル)に上昇した。輸出は7.4%増の1010億ディルハムとなり、輸入は4.3%増の2030億ディルハムに成長した。
対外取引と外国為替と金準備を管轄する「外国為替局」の調査によると、エネルギー輸入は未だにモロッコにとって外国からの最も重要な購入物であり、5.3%増となる約510億ディルハム(60億ドル以上)に達した。さらに、外国から購入した小麦と乳製品は約230億ディルハム(20%増)に達した。そのため、エネルギーと食料のコストは半年で750億ディルハムまで上昇した。これは硬貨(国際決済通貨)での決済金額であり、総生産の約7.4%と推定されている貿易赤字に悪影響を与えている。また、5か月分の商品・サービス輸入をカバーしていた硬貨や金といった準備通貨も損害を被っている。
同調査によると、この数年間のモロッコの輸出構造における変化は対外貿易の欠陥の対処に大いに役だった。そこでは、製造業や最新の技術サービスが、対外取引において黒字を記録するようになった。
自動車輸出
自動車と航空機部品は、モロッコの貿易を数十年に渡って牽引してきたリン酸塩と農業生産物を抜いて初めてモロッコの輸出品の1位を記録した。
モロッコは地中海沿岸のタンジェの工場からルノー・ダチアの自動車約210億ディルハムを国際市場で販売した。これは、2015年に40万台の生産を目的とした、資本金15億ユーロのモロッコ・フランス産業貿易協定の成果である。また、衣料品と繊維製品175億ディルハムやエアバス機やボーイング機用の電源ケーブル80億ディルハムを輸出した。
一方で、対外貿易は1000億ディルハム以上の赤字を記録した。その補填は、260億ディルハムに達した観光の利益、推定270億ディルハムのモロッコ人の送金によって一部行われた。一方で、モロッコ向けの外国による投資は今年上半期に39%減少し、230億からわずか140億となった。これは、中東・北アフリカの多くの国での政治的不透明や暴力の増加や、海外での同地域のイメージ低下 により、アラブ圏での外国投資も同様に540億から490億ドルに減少したことに連動している。
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( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:34925 )