ディヤルバクルとその周辺地域で生活する季節労働者らは、今日(1日)用意された列車にてサカルヤにヘーゼルナッツを収穫するため出発した。季節労働者らが大統領選において投票できないことに注目した共和人民党(CHP)のセズギン・タンルクル副党首は、「大統領選を8月に行うのは間違いだ」と発言した。
女性や子どもも交じる季節労働者らの問題を取り上げるため、イスタンブル県出国会議員であるセズギン・タンルクルCHP副党首は彼らとともにアンカラまで列車の旅に同行した。タンルクルCHP副党首は、毎年同じ苦労を強いられている季節労働者らの生まれ故郷で仕事があれば、このような遠出をする必要性はなくなるだろうと話した。
収穫期の到来とともにディヤルバクル駅ターミナルでは、季節労働者らの希望に満ちた旅路が見かけられるようになった。ヘーゼルナッツ収穫のためにサカルヤへ行くことを望む何百人もの季節労働者らの家族は、ターミナルで彼らを乗せる列車を待った。そばには子どもや赤ん坊を連れた労働者らは列車を待つ間、今年初めてイスタンブル県出国会議員であるセズギン・タンルクルCHP副党首を伴うことになった。ターミナルに到着したタンルクル副党首は、記者らに対して行った会見においてこの季節労働者らの問題がトルコにとって重大な問題の一つであること、そして毎年何千人もの労働者が列車やそれ以外の交通手段で居住地域からトルコ西部に位置するサカルヤやオルドゥといった県に、この季節になるとヘーゼルナッツを収穫するため赴いていることを話した。旅路の間や赴いた場所で季節労働者らが甚大な差別被害を受けていると主張するタンルクル副党首は、季節労働者の栄養状態や住環境、そして労働環境などに関わる大きな問題があると述べた。タンルクル副党首は、さらに以下のように発言した。
「季節労働者の女性や子どもが不当に利用されることや、労働者らが搾取されるといった問題がある。これらすべての問題を取り上げるため、私も今日彼らとともに旅路に出る。可能であれば、アンカラから先のサカルヤまでも同行したいと考えている。私の目的は、党として彼らが抱える問題に注目し、これらの問題を解決するために国会で委員会を設立することを確実にすることである。実際、国会では今日まで出稼ぎ季節労働者らの問題に関する調査委員会は設立されていない。彼らの間には法律やその施行に由来する問題がある。これらすべてを内包する形で取り上げ、解決のために国会が動き出すこと、そして政府に道筋を示すことが必要だ。このため、彼らと24時間の旅を行う。このようにして旅路の状況を観察するだけでなく、また彼らと話して今までに起きた問題などに関する情報を集めたいと考えている。彼らが抱える問題を共有したいと考えている。東部や南東部から異なる地域に出稼ぎに赴く季節労働者らに関する記録はない。(しかし)毎年8月初頭から9月中旬までにかけて、ディヤルバクルから1万人が他の地域へ移動しているという情報を得た。」
■「季節労働者らは大統領選で投票できない」
タンルクルCHP副党首は、他の地域へ移動しなければならない季節労働者らは大統領選で投票をすることができないことに注目し、「大統領選を8月に行うことは間違いである。(大統領選に関する)法律は2007年にこのような形で制定された。しかし、今回の選挙後には改正が必要だ」と話した。
イスタンブル・アンカラ間では高速列車の運行が開始されたが、(それに伴い)郊外の列車が運休になっていると述べたタンルクル副党首は、さらに以下のように話した。「そもそも国営鉄道(DDY)が季節労働者らに向けた特別な運行便を作る必要性がある。なぜなら労働者らはアンカラまで列車で行き、その後は疲れきった状態で幹線道路を使って旅路を続けることになる。毎年このような形で、数多くの交通事故が報じられている。今年はこういった悲しい事故が起きないことを願う。私は今月中に、彼らが働いている場所にも訪問する予定だ。」
CHPのタンルクル副党首は、生活が安定すれば人々は季節労働者として働くことから救われるだろうと述べ、以下のように発言した。「エルドアン首相は2008年に南東アナトリア計画(GAP)を発表し、この計画は4年で満了すると発言した。(しかし)彼ら季節労働者らが働くことができる場所は、農業灌漑がさらに多い場所である。となれば、灌漑用水路の実現割合が13%である一方で、過ぎた5年間でこの割合は20%まで高めることができたはずだ。ここに労働環境はない。まずは地域で労働環境を整えなければならない。失業問題は彼ら労働者らの力では解決できない。私たちが現場で問題を解決しなければならない。私たちは与党ではないが、与党であるときと同じようにこの問題と常に向き合い、現場で解決策を生み出せるよう努めたい。」
毎年そうであるように、今年もヘーゼルナッツを収穫するため希望に満ちて旅路に出る労働者らにとって、問題は逼迫している。赴いた土地で期間中滞在できる場所が見つからないことや、大きな不満を抱えていること、そして旅費さえも借金をして出稼ぎに出ていることを話す労働者らは、住んでいる地域で仕事が可能であれば他の土地に赴くことはないと話した。季節労働者の一人であるシェイフムズ・ギュルハンさんは、以下のように話した。「私たちは住んでいる故郷で仕事が見つかれば、もしくはここに工場ができれば、他の土地に行くことはなかったでしょう。お腹を満たし、そして子どもたちを育てるため、行かなければならないのです。もし子どもたちをここに残して行けば、子どもたちが不幸になってしまいます。このため毎年子どもたちも連れていかなければならないのです。仲間の中には30年間もこの出稼ぎを休まず続けている者もいますが、いい加減国にこの地域で労働機会を生み出してもらいたいと願っています。」
大学の入学準備を始めているアイフェル・チメンさんは、「予備校の学費を貯めるために季節労働者としてヘーゼルナッツの収穫に行きます」と話した。列車に乗る季節労働者らは約40日間滞在するサカルヤに行くため、出発の際に彼らを見送りにターミナルに来た親族らと最後に抱擁と別れの挨拶を交わした。列車の中ではセズギン・タンルクルCHP副党首に抱えている問題を一つ一つ語った労働者らは、アンカラから先は幹線道路を使って旅路を続けると話した。出稼ぎに出る季節労働者らが食料を買い込む姿も見られた。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:34927 )