イラクでイラク・シリア・イスラム国家(İŞİD)が掌握したモースル県シンジャール郡を救出する目的でカンディル山から数百のPKK(クルド労働者党:非合法組織)兵がバスで同地へ派遣された事が報告された。
イラク・クルド人地域はペシュメルゲ(クルド民兵)が管理する一方で、一部のペシュメルゲ集団が管理地区を放棄した事を受け、İŞİDはモースル県及びテルアフェル県を掌握した。İŞİDの手中に移ったシンジャール郡へ向けて、シリアのロジャヴァ地区から向かったPKKの一派である人民防衛隊(YPG)と一部ペシュメルゲらが軍事作戦を企て、継続している。
昨晩クルディスタン社会連合(KCK)のムラト・カラユラン執行委員がPKK系テレビチャンネルで「我々PKKはシンジャール郡に介入する予定だ」との発表を行った後、今朝方からイラク・クルド人地区のイラン・トルコ国境地帯のPKKキャンプにいるPKK兵らがバスでシンジャール地区へ派遣された。
北イラクにあるキャンプからシンジャールへ派遣された兵士らの映像が親PKKで知られるインターネットサイトに掲載された。
■ PKK用の交通ルートが築かれた
İŞİDのモースル掌握後、PKK及びYPGは、北イラク・クルド自治政府に継続して対İŞİD共同戦線を提案したが、この呼掛けに返答はなかった。 İŞİDのシンジャール掌握後に、ムラト・カラユランの指令で派遣されたPKK兵が同地へ到達出来るようペシュメルゲらが交通ルートを設け、PKK兵らが同交通ルートからシンジャールへ移動し、İŞİDと戦うことが明らかになった。カラユランは発表の中で、同部隊がシンジャール山岳地帯からİŞİDを一掃するまで撤退せず、必要に応じて同部隊は常駐する予定であると言及している。
■ 「クルド人の結束」
北イラク・クルド自治政府のメスト・バルザーニー議長が昨日出した「所構わずİŞİDに攻撃を加えよ」との指令を受け、重火器を装備したペシュメルゲ数千名がモースル境域だけでなくキルクーク及びその周辺地域にも増援隊として派遣されたと伝えられた。
シリアのロジャヴァ地区からイラクのライバ地帯、及びシンジャール地帯へ移動したYPG所属部隊及びペシュメルゲらがその管理地域で同地を映した看板の下で絶えず記念写真撮影をする様子が見られた。YPG兵士及びペシュメルゲらは撮影した写真をソーシャルネットワーキングサイトに掲載し、「クルド人の結束」と見出しを付けた。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:34978 )