■糖尿病は男性不妊症と関連
同教授は「糖尿病は男性不妊症と関連しているのか」との問いに対し、次のように述べている。
糖尿病は、かなりの割合で精子の数やその質に影響を及ぼす。従って、それは男性の不妊症の原因の一つとなりうる。もちろん、現在では様々な不妊症の治療法がある。特別な療法によって、糖尿病患者の精子の強壮化が可能であり、最終手段としては体外受精も利用できる。
性的不能の治療に用いられる有効な手段としては、血糖値や血圧、血液脂質の適切な管理、及びその他の〔数値の〕抑制を図る治療が挙げられる。
■ 糖尿病と女性の性の問題
糖尿病の女性も、男性と同様、病気を〔適切に〕管理しなければ、性的困難に直面するだろう。フェイズ博士はこれに関して、「糖尿病の女性には、性欲の減退、オーガズムの欠如、性交痛、膣炎などが見られる。こうした女性たちは尿失禁〔‥‥〕等に悩まされる場合もある」と述べている。
〔‥‥〕
同氏は以下のように付け加えている。
糖尿病を患う女性は妊娠〔の確率〕が低下したり、生理周期が不規則であったり、或いは無排卵周期症であったりする可能性がある。調査によれば、このような患者にはメトホルミン(経口糖尿病治療薬)や種々の排卵誘発法が治療に役立つ。
分泌腺の専門家である同氏は、さらに次のように強調する。
妊娠中の女性の血糖コントロールが不適切だった場合、妊娠中に胎児の体重が〔過剰に〕増加し、年齢が上がったときにその子供は糖尿病を患ってしまう可能性がある。もしこの病気が妊娠中に〔適切に〕管理されていれば、胎児に問題は生じないだろう。しかし、〔適切に〕管理されないならば、体重の〔過剰な〕増加が起きるだけでなく、子供の体に代謝障害が起きる可能性もあるのである。
同氏はまた、「この病気に関して、忘れてはならないことがある。パートナーの病気を受け入れた人は、夫婦二人三脚で病気を管理できるし、通常の生活が送れる、ということである」と話している。
糖尿病の新たな治療法が幾つも生まれていることを考えれば、この病気は人の自由を奪うものではなく、適切に管理されるならば、生活スタイルに支障をきたすことはないということを、心に留めておくべきだ。夫婦生活に関連した障害は、特にそれが男性に生じた場合、若いカップルにとって厄介な問題となって、彼らの生活の質に影響を及ぼす可能性がある。しかし、この病気についてしっかりとした認識を持っていれば、諸々の困難をコントロールしたり、除去したりすることが可能なのである。
■ 一つの助言
フェイズ教授によれば、糖尿病の治療で重要なのは、患者がこの病気に相対する際、受け身にならずに、この病気を受け入れることだという。病気治療の5割は、患者自身に掛かっているということを忘れてはならない。適切な食生活、理想的な生活スタイル、運動、および体重と血圧の管理は病気の進行を適切に制御する一助となる。そしてこの病気治療の残り5割は、薬物療法のタイムリーな処方である。実際、治療をタイムリーにスタートさせることが、糖尿病の余病防止に非常に重要な役割を果たす。故に、適切に糖尿病をコントロールしている患者であれば、性的困難に陥るのは60歳を超えたときとなる可能性があるのである。そして諸々の環境要因をコントロールしていれば、確実に余病の発病を遅らせることができるのだ。
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( 翻訳者:赤城颪雷来 )
( 記事ID:35068 )