大統領はチャハールマハール・バフティヤーリー州への公式訪問の最終日に、訪問日程とその成果について説明する中で、今日の重要な社会問題のいくつかに言及した。
ロウハーニー大統領は、州行政評議会において、女性に対する一部の「石器時代に後戻りしたかのような」見方を批判し、同時に第11期[ロウハーニー]政権に対して起こされている喧々囂々たる騒動について分析を行った。大統領は、一部の者たちが現政権を非難しているのは、過去の腐敗を覆い隠すためにすぎないと強調した。また、国内での能力主義(メリトクラシー)の必要性を強調した上で、男女の性別分離の考えが一部の機関で唱えられていることに触れ、現政権では男女間に違いは認められていないと力説した。
大統領の広報サイトによれば、ロウハーニー大統領は、われわれは誰であれ、能力のより高い者に仕事を任していると指摘した上で、「私が常日頃、州知事、県知事、郡長官、その他の高官にきっぱりと申し上げ、また要求しているのは、いかなる勢力、党、グループの圧力にも屈することなく、より能力の高い者、有用な者であれば、それが誰であれ、その人物を登用していただきたい、ということである」と述べた。
「深慮と希望の政府」〔※現ロウハーニー政権のキャッチフレーズ〕にとって、血統や宗教・宗派、男女の間には何ら違いはなく、より能力の高い者が重責を担うべきだというのが、ロウハーニー大統領の信念であるとされる。大統領は、イマーム〔・ホメイニー〕が性別分離には反対していたことを喚起し、「議会では、男性議員は女性議員の隣に座って、法律の制定に当っているではないか。議会の発足以来、ずっと同じような情況だったのであり、憲法制定専門家会議〔※革命後に新憲法を制定するために立ち上げられた会議。最高指導者専門家会議とは別〕にも、女性たちは参加していたのである」と述べた。
大統領は更に、こう続けた。
イマームは、こうした善き伝統を築こうと考えていた。社会の50%の人々を、さまざまな口実やカージャール朝〔1796〜1925年〕時代の議論によって、締め出すことが出来るとでもいうのか。言うまでもなく、わが国の女性は、貞節とヘジャーブを守る存在であり、〔イラン〕社会が道徳に基礎を置くイスラーム的な社会であることを心得ている。彼女たちは自ら道徳を守り、先んじて徳をなす者たちなのである。
ロウハーニー大統領が男女分離策に反対の立場を表明する以前にも、政府はかかる男女分離策には反対であるとのスタンスを、シャヒーンドフト・モウラーヴァルディー女性・家庭問題担当副大統領が明確に表明していた。
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( 翻訳者:たるじょめのおきな )
( 記事ID:35076 )