科学技術相の問責案をめぐって、国会・大学関係者から同相を擁護する声(下)
2014年08月12日付 Iran 紙


国会は奨学金問題の透明性確保を要求

 複数のメディアの報道や、問責案を提出した議員らの発言によれば、〔ロウハーニー政権発足後の〕科学技術省内での人材登用や大学を追放された学生の復帰、前政権で行われていた奨学金支給にまつわる大規模な不正の発表への抗議などが、彼らの〔ファラジーダーナー科学技術相に対する〕不満の中心となっているようだ。しかしこうした不満・要求は、国会の国家安全保障委員会の委員を務める人物(この人物は同時に、大学の学術委員も務めている)によれば、科学技術相のパフォーマンスとは関係のないものだという。

 アフマド・ショウハーニー氏は、科学技術相のパフォーマンスは彼を問責したり、その結果として交替させたりする必要性を喚起するようなものではないと指摘する。同氏はその上で、イラン紙に「反対に、ファラジーダーナー氏は政権内で熱心に仕事をこなす、十分擁護可能な閣僚の一人だ」と証言している。

 イーラーム選出の議員である同氏は、問責案を提出している議員たちの科学技術相に対する批判の中には、同省内での人事に起因するものもあると指摘し、次のように付け加えている。

この種の人事は他の省庁でも行われている。しかし国会の教育研究委員会は、問題をことさら大きくしている。実のところ、この委員会の多くは政府批判派が占めており、革命永続戦線のメンバーか、あるいはそのシンパなのである。第一次アフマディーネジャード政権で科学技術相を務めていたモハンマド・メフディー・ザーヘディーが、この委員会の委員長を務めているのだ。

 ショウハーニー氏はさらに、次のように続ける。

新政権の発足にともない、同政権には自分たちの考えに従って、高官を選択する権利がある。ところが国会には、科学技術省内の異動が最低限に抑えられることに、期待を抱く者たちがいる。彼らは、たとえ一部の高官や次官に交替が行われるとしても、現政権に近かったり、改革派だったりするような人物は避けるべきだと考えているのである。

 ショウハーニー氏によれば、問責案を支持している一部の議員とは反対に、国会議員の多くは奨学金不正支給問題の真相解明を求めており、この件で透明性を確保するよう、科学技術相に期待しているのだという。この件で科学技術相が後退するようなことになれば、それこそ、他の議員たちの批判・抗議に直結するというわけだ。

 同議員は、たとえ同相への問責が否決されたとしても、この問題での調査を止めてはならないとクギを刺している。同議員によれば、問責案を支持している議員たちの視線は政治的なものであり、彼らの名前を一瞥すれば、彼らの多くが、ある特定の政治党派のメンバーないしそのシンパであることがはっきりするという。

問責案を支持する議員たちの当時の「沈黙」と現在の「騒動」が意味するもの

 科学技術省に対する問責案を提出している議員たちが直面している基本的な疑問、それは「彼らはなぜ、前政権の科学技術省が起こした大規模な不正に対して、何の反応も示してこなかったのか」という疑問だ。

 奨学金問題とは〔奨学金受給に必要な成績を収めていないにもかかわらず、大学院に通う一部の有力者・国会議員の子弟・親族に、不正に奨学金が支給されたとされる〕大規模な不正事件であり、資格を有する多くの大学生からその権利を奪ったものであるが、この問題に加えて、最近になってさらに大規模な不正があったことを示す報道が、ここ最近メディアで伝えられている。

 例えば昨日、一部のウェブサイトは第二次アフマディーネジャード政権下の科学技術省で、マネーロンダリングと見まごうばかりの不正資金問題が起きていたと伝えている。〔‥‥〕ニュースサイト「パヤーメ・ノウ」によれば、各大学に計上された予算の一部が、大統領選に立候補した某候補者の選挙本部で流用され、本件について会計検査院で調査が行われているところだとのことだ。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:35118 )