ハーメネイー最高指導者「アメリカと交渉しても敵意と制裁は増大しただけだった」(3)
2014年08月14日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は演説の最後を、世界との交流・対話に関するテーマに充てた。

 同師は、大統領がイランの大使や臨時代理大使らを前にして2日前に行った、全世界との交流・対話に関する演説を支持した上で、「その中でも、二つだけ例外がある。シオニスト体制とアメリカである」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はアメリカとの交流・対話を否定する理由について、いくつかの点を指摘し、次のように強調した。「アメリカと関係をもち、同国と交渉することは、特別なケースを除いて、イスラーム共和国にとって何ら利益とならないばかりか、害悪すらもたらす。理性を持った人間で、利益をもたらさないようなことを懸命に追求する者など、どこにいるというのか!?」

 同師はさらに続けて、「アメリカとの交渉のテーブルに就けば、多くの問題が解決するなどとうそぶいていた者が一部にいた。もちろん、われわれはそうではないことを知っていた。しかしここ1年間の出来事は、これが事実であることを再び証明するものであった」と述べた。

 革命最高指導者はさらに、次のように指摘した。

過去、我が国の当局者と米当局者の間には、いかなる関係も存在しなかった。しかしここ1年間、核問題という重大問題〔‥‥〕が理由で、当局者は外務省レベルで〔アメリカと〕接触し、協議を開き、交渉を行うこととなった。しかしこうした接触から、何ら利益は得られなかったばかりか、アメリカの口調はより一層、過激で侮辱的なものとなっていった。彼らはこれまで以上に要求がましい期待を、交渉の場や公衆の前で表明したのである。

 革命最高指導者はさらに、

もちろん、我が国の責任者たちは協議のなかで、彼らの要求に対して、力強く応答し、ときにそれは舌鋒鋭いものであった。しかし総じて明らかとなったのは、交渉は一部の者たちが想像していたのとは反対に、何の役にも立たなかった。

 と付け加えた。

 革命最高指導者はこの点について、制裁の増大について言及し、「アメリカは敵意を減らさなかったばかりか、制裁を増やすことすらした。もちろん彼らは、これらの制裁は新たなものではないなどと言っている。しかし実際のところ、それは新たな制裁なのであり、交渉は制裁の点でも、意味がなかったのである」と指摘した。

※訳注:アメリカが既存の制裁を適用したものだとして、一部の企業・人物を制裁リストに新たに加えたり、摘発したりしたことを指す。

 同師はその上で、

もちろん、核交渉の継続については、私たちは禁止はしない。ザリーフ博士〔※イラン外相〕とその仲間たちがスタートさせ、今日まで良好な形で進めてきた仕事については、これからも続けられるだろう。しかしわれわれは、アメリカとの行き来・話し合いは彼らの敵意の軽減にはまったく効果はなく、役に立たなかったということにわれわれが気がついたことは、皆にとって貴重な経験となった。

 と付け加えた。

 革命最高指導者はアメリカとの交渉によって生まれた害悪について説明する中で、「この作業のせいで、〔世界の〕諸国民・各国政府は内心、優柔だとしてわれわれを非難するようになってしまった。西洋諸国もその大規模なプロパガンダによって、イスラーム共和国を受動的で二面的であると宣伝するようになっている」と指摘した。

〔‥‥〕

 革命最高指導者はこの箇所の演説のまとめとして、シオニスト体制との交流・対話はそもそもにおいて否定されると指摘し、アメリカについては「現在の状況、すなわちアメリカの敵意、そしてイランに関する米国政府・議会の敵対的な発言が続く限り、彼らとの交流・対話は断じてあり得ない」と述べた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:35130 )