イラン外相、クルディスタン自治区指導者のバールザーニー氏と会談
2014年08月27日付 Iran 紙
イラン外相はイラク訪問の3日目、同国北部にある〔クルディスタン自治区の首都〕アルビールに向かった。
複数の通信社が伝えたところによると、イラン外交の最高責任者であるザリーフ外相はイラクのスライマーニーヤ(ソレイマニヤ)およびアルビールで、イラク・クルディスタン自治区の指導者であるマスウード・バールザーニー氏とジャラール・ターリバーニー氏と会談した。外相は同自治区の指導者であるバールザーニー氏との会談後、共同記者会に臨み、「われわれはイラクの領土的一体性、国民的統一、発展と安全を支持し、それらが自らの発展と安全と同価であると考える」と述べた。
ザリーフ外相はまた、過激主義の危険とは一つや二つの民族、さらに言えばシリアとかイラクといった国だけを脅かすものではなく、世界全体を脅かす危険だと考えると述べた上で、「ダーイシュはイラクやクルディスタンの全人民、シーア派、スンナ派、そして地域のすべての人々にとっての危険である。そしてそれは、ダーイシュと一時的に和解した人たちをも脅かすものである。われわれはイラク人民に寄り添ってきたし、これからもそうするだろう」と指摘した。
外相はさらに、「今日イラク、そして域内のすべての政府は一つの共通の敵に直面している。皆がともに協力しなければならない。これはイラク人民および当局者たちに対する、イラン人民、そして革命最高指導者のメッセージである」と強調した。〔‥‥〕
イラン外相は、「われわれはイラク人民が望む政府ならどの政府であれ支持するし、とりわけイバーディー政権を支持する」と強調した上で、「われわれはまた、クルディスタン自治区と中央政府の間で結ばれた合意については、それがいかなるものであれ、支持する」と言明した。〔‥‥〕
ザリーフ外相はまた、質問に答える中で、「われわれはイラクに軍事的プレゼンスを有してはいない。しかしイラク人民に寄り添っていくつもりだ」と語った。〔‥‥〕
マスウード・バールザーニー氏もイラン外相との共同記者会見で、ザリーフ外相のクルディスタン自治区訪問に感謝の意を表明した上で、「われわれはすべての国に、軍事物資や支援〔の提供〕を要請した。そしてわれわれに支援をしてくれた最初の国がイランだった」と述べた。
同氏はさらに、「イランの支援やすべての支援が届いた後、ダーイシュが自らの目標を達成させるのを、われわれが許すようなことはなくなった」と付け加えた。〔‥‥〕
イラン外相はイラク訪問の続きで、イラク前大統領のジャラール・ターリバーニー氏を見舞った。
外相はさらに、イラク・クルディスタン自治区訪問の1日前、ナジャフ在住の宗教指導者らとも会談した。
モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ氏はまず、アーヤトッラー・ラシード・ナジャフィーと会談、その後アーヤトッラー・セイエド・モハンマド・ハキーム、そしてアーヤトッラー・セイエド・アリー・スィースターニーと会談した。〔‥‥〕
外相はアルビールを訪問する前、イラクのファウード・マアスーム大統領、ハイダル・アル=イバーディー新首相、ヌーリー・マーリキー前首相、国会議長、イラク国民連合議長、イラク〔・イスラーム〕最高評議会議長、および同国の複数のスンナ派国会議員らとも、ナジャフで会談している。〔‥‥〕
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
関連記事(外務次官、サウジを訪問 —— 目的をめぐって憶測)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:35203 )