新作アニメ6作を制作・放映(2)―「教育的アニメにおいてスローガンは避けねばならない」
2014年08月27日付 Jam-e Jam 紙
「幻の町」(http://www.koodaksara.com/index.php?mood=news_archive&view_year=1391&view_month=9より)
「幻の町」(http://www.koodaksara.com/index.php?mood=news_archive&view_year=1391&view_month=9より)

■イランを縦断する雲の子どもたち――「雨の旅」

サバー・アニメーション・センターで制作された他のアニメの中では、「雨の旅」を挙げることが出来る。これは3人の雲の子どもの旅を描いたものである。彼らはカスピ海の水滴が蒸発して生まれ、風に吹かれて、イランを南へ南へとペルシア湾に向って移動していく。旅をつづけながら彼らは、ザーグロス、イスファハーン、カーシャーンをはじめとする、イランの様々な地域を知るようになる。

「雨の旅」のアニメでは、水の重要さと命をはぐくむ役割が強調され、またイランのさまざまな民族の風俗・文化、とりわけ雨にまつわるものが子供たちに紹介される。

サバー・センター制作アニメのもう一作は、「幻の町」という題名で、制作に2年の年月を費やし、26回シリーズで、高細精度画質で制作された最初のアニメである。


■古きシーラーズ――「幻の町」

マーゼヤール・モハンマディーネジャード監督・演出による「幻の町」は、セペフルという名の少年の物語で、学者だった父を失った経緯を調べていく うちに、少年が神秘の園に足を踏み入れ、そこから更に空想の旅に出るという物語である。

少年はのちに 自分が、[過去の]シーラーズ に旅していたことを知る。そこで友たちと出会い、彼らの力を借りて、町の敵どもと戦う。また、セペフルは敵との戦いで、科学の力を利用していくのである。

マーゼヤール・モハンマディーネジャード監督によれば、このアニメ制作に際して、様々な専門技術やテクニックを最大限に活用し、世界的な水準で優れたアニメを制作すべく努めたという。

モハンマディーネジャード監督は、このアニメ・シリーズ制作チームの最大の難関は、その地方特有の、お決まりの型とは異なる雰囲気や空間を作り出すことができるかどうかにあったと述べ、「その深層に教訓や教育的・道徳的な目的を潜ませた物語は、スローガンを掲げるような手法を避けなければならないのである」と語った。

[…]



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


まえを読む
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:たるじょめのおきな(弐) )
( 記事ID:35241 )