オランダのお騒がせトルコ人―苦情申し立て3500件
2014年09月12日付 Milliyet 紙
オランダで自治体に3500通もの苦情申し立てを書いたトルコ人が役所仕事を麻痺させた。
オランダのロッテルダムに近いドルトレヒトに住むムスタファ・カラシャーヒン氏は、自治体に復讐するため1年間で3500通もの苦情申し立てを書いた。
法律により申し立てには4週間以内で返答を出さねばならない自治体は、これらの申し立てに返答するため特別役員を任命した。しかし申し立てに対する返答にそれでも人数不足となった自治体は、ムスタファ・カラシャーヒン氏を裁判で提訴した。現在、刑務所に入る可能性もあるムスタファ・カラシャーヒン氏は、「刑務所でならもっと申し立てを書くための空き時間がある」と話している。
■不動産の売却により戦いは始まった
ドイツのデア・シュピーゲル誌で取り上げられたドルトレヒト自治体とムスタファ・カラシャーヒン氏間の諍いは、カラシャーヒン氏が所有する不動産を原因に始まった。ドルトレヒト自治体は2年前に、合計で42件の不動産を所有するカラシャーヒン氏に対して一部の賃借人に関することや火災予防規則違反を理由として罰金を科した。ムスタファ・カラシャーヒン氏はこれらの罰金を不当であるとして罰金を払わずにいると、実力行使によりこられの不動産の内2件が売却処分となった。
これを受けてカラシャーヒン氏は、自治体に対して数日間で70通もの苦情申し立てを書き様々な情報の開示を要求した。オランダの法律によると、公共機関は申し立てに対して4週間以内に返答を出さなければならない。それができなければ、公共機関は申し立てをした者に最大1260ユーロ支払わなければならない。追い詰められたドルトレヒト自治体は、これらの申し立てに期間内で返答するべく特別役人を任命した。
■カラシャーヒン氏を裁判所でさえも止めることはできなかった
これらの苦情申し立てに返答するためには、何度も法律家や様々な専門家から意見を仰がなければならなかった。申し立ての年間コストが50万ユーロにのぼると、自治体は裁判所に提訴した。3月に裁判所はムスタファ・カラシャーヒン氏に対して、月に最大で10通の苦情申し立てを公共機関に書くことができるという決定を下した。しかしこの裁判所の決定もカラシャーヒン氏を止めるには力不足で、この決定以上に書かれた苦情申し立てに対しても罰金が科されることになった。これらの罰金の総額は30万ユーロにのぼった。しかしムスタファ・カラシャーヒン氏がこれらの罰金を払わずにいると、刑務所に入る可能性がでてきた。カラシャーヒン氏が刑務所に入るか否かは裁判所が決定を下す。
■「苦情申し立てテロ」
この間オランダでは、ムスタファ・カラシャーヒン氏の苦情申し立てをする権利を制限するのは人権に反するのではないかという議論が始まった。お役所を自分の武器で攻撃したと話すムスタファ・カラシャーヒン氏は、自治体が自身を軽視しており、今後も抵抗を続けると述べた。打つ手の無い職員らは、カラシャーヒン氏の行いを「苦情申し立てテロ」であると評している。ムスタファ・カラシャーヒン氏のこうした一風変わった抵抗は、世界中のメディアで広く報じられた。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:35337 )