解放の総領事館員「総領事は勇敢だった」
2014年09月20日付 Milliyet 紙


イスラム国(ISIS)の人質にされ、101日間後に救出された人質は、3度の死から生還したと語る。人質の一人であるヤシャル・ダルクルチ氏は「苦痛の毎日だった。8~9度居場所を変えた」と話している。

モースル領事館での職務中、ISISによって人質にされ101日後に救出された人質らは、首相府所属の航空機の中で本紙に101日間に及ぶ拘束期間中の体験を語ってくれた。3度の死から生還したと語るのは人質の一人だったヤシャル・ダルクルチ氏だ。ダルクルチ氏から30メートル離れた場所に爆弾が落ちたり、警備中のISIS戦闘員らが死んだりしたと話す。ダルクルチ氏は、神学部を卒業しているため、職員は彼のことを「先生」と呼んでいた。同氏は、101日間、5 回の礼拝を続けていた。また、「爆弾がすぐそばで爆発したが、死が頭をよぎることはなかった」と語った。人質らが語った101日間の体験は次のとおり。

■「トルコが我々の後ろについていた」

ヤシャル・ダルクルチ氏の証言。

「102日間は苦痛の日々だった。ISISは様々な場所で人質を拘束していた。8~9ヶ所を移動させられた。彼らは時にはひとつに、また時にはふたつに[我々を]分けた。残酷な行為は受けなかったが人質は人質だ。ただ、そうしたことは感じなかったし、恐怖は感じなかった。我々に対しては、いかなる残酷なふるまいもなかった。彼らは、自分たちが口にする食事はすべて我々にも食べさせた。絶望にとらわれたことはまったくなかった。トルコが我々の後ろについていると知っていたから。大統領と首相の姿は何度も見る機会があった。時にはテレビを見る機会もあった。

ほとんどは地下壕やビルの地下階など状態の悪い所だった。絶え間なく爆撃があり、我々の真上にも爆弾が落ちた。私から25~30メートル離れたところで男性二人が爆弾でバラバラになって命を落とした。我々の真上に落ちてきた爆弾によってだ。私のところにも破片が飛んできて負傷した。私はそのときコーランの一節を唱えていた。ファーティフ章の2ページ目だった。その瓦礫の下で過ごし、毎日5度の礼拝をした。一週間前の水曜日、ISISは君たちはトルコへ向かうんだと言った。その際の約束では先週の金曜日にトルコに着くはずだった。道中の安全確保の問題があり、トルコに送ることができないと言われたので、私たちは「嘘だったんだ」と話していた。信じてはいなかったが落胆した。

■「処刑される可能性もある、と話していた」

特殊警察(匿名)の証言。

我々がイラクのホテルで拘束され、ホテルのような場所で滞在しているというニュースが流れたはずだ。それはまったくのデタラメだ。大半は平屋のバラックのような場所で過ごしていた。頻繁に場所を移動させられた。イラク軍の航空爆撃の際には、3度死から生還した。また、ISISは冗談半分で我々も処刑される可能性がある、と話していた。我々が死に近い立場であることを自覚させようとしていた。

■「指輪も没収された」

アリ・ドゥルムシュ氏の証言。

昨日(19日)1時30分に空港から出発した。深夜12時30分に、ここ、つまりラッカに到着した。引き渡される前は、いつも、明日には...、ラマザン祭には...、[解放]と言われていた。[約束の時期が]過ぎれば、希望はもちろん...。我々の持ち物は携帯電話、腕時計、所持金、指輪まですべて没収された。

■「頭に向けて武器をかまえられた」

アルプテキン・エスィルギュン氏の証言。

オズチュルク・ユルマズ総領事は、トルコ領事の名において声明を出せというISISの強制に立ち向かった。頭に武器を向けられた状況でも声明を行わなかった。彼は事態を非常にうまくとりなした。必要な注意を払いながら、[立場を]堅持し、信仰に基づいて身を処し、トルコを信じた。ついにはそれが実を結んだ。

アルパルサン・イェル氏の証言。

トルコがアッラーに祝福されますように。そして今回我々に起きたようなことが2度と起きませんように。ムスリムだったおかげで多少よい待遇が受けられた。ただ、それほど快適なわけではなかった。戦争に身を置いていたので。

ダウトオール首相が飛行機から拡声器で行った呼びかけ。

我々を生かすのはまずはアッラー、つぎに預言者の恩寵である。そして次に、人質となったあなた方の忍耐のある、先見の名のある行動だ。この真新しい飛行機の初の特別旅客はあなた方だ。アッラーが、どのような形であれ二度とあなた方やご家族に今回のような労苦・別離を味あわせませんように。今回の経験が明らかにしたのは、このような事態に国全体が一体化するということだ。困難な局面にある国の職責を担う全員が国の信用のために手を取り合っている。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:35390 )